試合レポート

岩倉vs郁文館

2012.10.01

岩倉vs郁文館 | 高校野球ドットコム

岩倉・小串君

まとまり示した岩倉、堅実な試合運びで都大会進出決める

この夏の東東京大会でベスト4に進出して、久しぶりに存在感を示した岩倉
秋も、派手さはないものの、きちっとした仕上がりぶりを示す戦いぶりで、都大会進出を決めた。

岩倉は初回に死球の2番酒井君が二盗を決めると、4番森山君がやや詰まり気味ながらセンター前へ運びこれが先制タイムリーとなった。さらに2回にも、巧みにボールを運んで右中間へ二塁打を放った小串君をバントで進めると、松木君のレフト犠牲フライで追加点。走者が出たら手堅くバントで送って、しっかり返すという形は岩倉の得意とするパターンだが、それが序盤はきっちりと出来て主導権を奪った。

ただ、岩倉はその後にさらにバント安打などで作った満塁の好機があったのだが、ここであと一本欲しいところでもあった。結局、それが中盤の苦戦につながってしまった。右サイドから、ゆっくりとしたスライダーを投げてくる郁文館の福田君を打ちあぐんだ。そして、6回には郁文館が小林勇君のレフト前ヒットで1点差とした。

しかし、その裏岩倉は1死満塁から酒井君のスクイズで3点目を入れると、ここまで3打席福田君のスローカーブを引っかけ気味だった3番安達君が、しっかり捕えてライトオーバーの二塁打。二者を返してこの回3点、完全に岩倉は試合の流れを掴んだ。7回にも松木君のライトオーバー三塁打で2点を追加した。

そして岩倉は、身長としては170センチに満たない小串君が、投球の組み立ての上手さを見せて、6回の1失点のみに抑えた。ストレートとスライダーを中心に、時にチェンジアップも交えていきながら、上手に打者を処理していくタイプだ。まさに、試合を作れる投手と言っていいだろう。

岩倉の磯口洋成監督は、「投手がまとまっていますから、ある程度は計算が立ちますから、助かりますよ」と、小串君には絶対の信頼を寄せている。新チームになって、「トータルの能力を見て、二塁手から捕手にコンバートした」という安達君との呼吸が合ってこれば、これからもっと投球の幅が広がってきそうである。
よく、投球のセンスがあるという言い方をするが、小串君はまさにそんなタイプと言っていいだろう。

昨年秋はブロック予選で日大三を下して旋風を巻き起こした郁文館だったが、今年は下手投げの福田君が頼りのチームだったが、小串君を打ちきれなかったのが痛かった。2本のバント安打含めて6安打。6回を除くと、好機らしい好機を作ることが出来なかった。

(文=手束仁

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.05.18

【秋田】明桜がサヨナラ、鹿角は逆転勝ちで8強進出、夏のシードを獲得<春季大会>

2024.05.18

【関東】昌平・山根が2発5打点、東海大相模・4番金本が2ランなどで初戦を快勝、東海大菅生は山梨学院を完封<春季地区大会>

2024.05.18

【長崎】長崎西、島原中央などが初戦を突破<NHK杯地区予選>

2024.05.18

【東海】県立岐阜商、菰野、中京大中京、津田学園が4強入り<春季地区大会>

2024.05.18

【岩手】一関二、盛岡誠桜などが初戦を突破<春季大会>

2024.05.15

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.05.13

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在29地区が決定、愛媛の第1シードは松山商

2024.05.14

大阪体育大の新入生に兵庫大会8強の145キロ右腕、金光大阪の1番センター、近大附の4番打者など関西地区の主力が入部!

2024.05.16

【宮城】仙台一、東北、柴田、東陵がコールド発進<春季県大会>

2024.05.18

【秋田】明桜がサヨナラ、鹿角は逆転勝ちで8強進出、夏のシードを獲得<春季大会>

2024.04.21

【愛知】愛工大名電が東邦に敗れ、夏ノーシードに!シード校が決定<春季大会>

2024.04.29

【福島】東日本国際大昌平、磐城、会津北嶺、会津学鳳が県大会切符<春季県大会支部予選>

2024.04.22

【春季愛知県大会】中部大春日丘がビッグイニングで流れを引き寄せ、豊橋中央を退ける

2024.04.22

【鳥取】昨年秋と同じく、米子松蔭と鳥取城北が決勝へ<春季県大会>

2024.04.23

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?