News

条件重なり和歌山の古豪が逆転選出!70年ぶりの出場を勝ち取った2007年センバツ

2022.01.23

 1月28日に、いよいよ2022年選抜高校野球大会の出場32校が決定する。これまでに数々のドラマを生んできたセンバツ出場校の発表。今年はどんなドラマが待っているのだろうか。

 運命の日を前に、過去のセンバツ出場決定で起こった「サプライズ」を振り返ってみたい。

条件重なり和歌山の古豪が逆転選出!70年ぶりの出場を勝ち取った2007年センバツ | 高校野球ドットコムあわせて読みたい!
県4強、近畿16強敗退でまさかの吉報!1984年センバツで起こったサプライズ選出
初戦敗退も「センター返し」が評価され逆転選出!2003年センバツの近畿6枠目争い
条件重なり和歌山の古豪が逆転選出!70年ぶりの出場を勝ち取った2007年センバツ
菊池、大谷、佐々木…花巻東のスター数珠繋ぎは2009年センバツ「逆転選考」から
「東北絆枠」選出の山形中央、落選酒田南も意地見せた!2013年センバツのドラマ
激戦の選考だった2017年センバツの「慶應VS日大三」メンバーのレベルも高かった!
153キロ左腕を擁した横浜が「史上初」パターンで選出された2019年センバツ選考

 2007年(平19)第79回大会

条件重なり和歌山の古豪が逆転選出!70年ぶりの出場を勝ち取った2007年センバツ | 高校野球ドットコム
県立和歌山商のユニホーム

 近畿の選考でドラマが起きた。近畿の出場枠は6。まず前年の秋季近畿大会4強が選ばれた。優勝した報徳学園(兵庫)に、中田 翔(現巨人)擁する大阪桐蔭(大阪)、北大津(滋賀)、市川(兵庫)の選出は順当だった。従来にならえば、これに8強進出の東洋大姫路(兵庫)、北陽(大阪)、智辯和歌山(和歌山)、近江(滋賀)のなかから2校が選ばれると思われたが、投手力の良さを評価されて5校目に選ばれた北陽に続いて選出されたのは、その北陽相手に初戦で敗れていた県立和歌山商(和歌山)だった。

 さまざまな条件が組み合わさった。北陽以外の8強どまりだったチームは、大きな決め手に欠けていた。すでに報徳学園市川が選ばれていたことで兵庫県からの3校目は厳しく東洋大姫路は除外された。ともにコールド負けを喫していた智辯和歌山近江に加え、8強以外で選考対象に入っていた和歌山で優勝した県立和歌山商熊野(和歌山)、郡山(奈良)の計5校から1校を選出することになった。初戦敗退した熊野郡山は総合的な戦力が低いと判断され、智辯和歌山も投手力の弱さを指摘されて落選。近江県立和歌山商との争いとなったが、最終的には地域性により県立和歌山商が選ばれた。

 古豪の県立和歌山商は21世紀枠でも候補に入っていたが、宮崎の公立進学校・都城泉ヶ丘が西日本地域の大本命。県立和歌山商は落選していたが、近畿枠で選考された形となった。1937年(昭12)以来、実に70年ぶりのセンバツ出場だった。

 センバツの舞台では、県立和歌山商は4強に進んだ熊本工(熊本)の前に初戦敗退。夏はまさかの県大会初戦敗退に泣いた。県立和歌山商とのマッチレースに敗れた形となった近江は、その年の夏に、センバツに出場した北大津を決勝で破って甲子園切符を勝ち取り、2008年夏と県連覇を飾っている。

 なお、2003年から設置され、神宮大会枠対象の地域以外で、補欠1位校のなかから守備力を重視して1枠選出する希望枠として、この年は大垣日大(岐阜)が選出された。北大津都城泉ヶ丘関西(岡山)、帝京(東京)を破って決勝に進出。惜しくも1点差で常葉菊川(現常葉大菊川=静岡)に敗れたが、準優勝に輝いた。翌2008年で終了した希望枠としては、この大垣日大の準優勝が過去最高成績となっている。

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.05.13

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在29地区が決定、愛媛の第1シードは松山商

2024.05.13

大阪桐蔭、山梨学院、慶應義塾…強豪校・名門校の昨年度卒業生はどの進路を歩んだのか?【卒業生進路一覧】

2024.05.13

【仙台六大学】“投手王国”にまたひとり…リーグ戦初登板初先発の東北福祉大・柴田由庵が史上15人目ノーヒットノーラン達成!

2024.05.13

【首都大学】14季ぶりリーグ戦優勝の帝京大のエース左腕・榮 龍騰は「絶対にマウンドを譲りたくなかった」ストレートを軸にした投球で前回対戦の悔しさ晴らす11奪三振快投!

2024.05.13

「その指導で、子どもは本当に野球を楽しむことができていますか?」――教育者・工藤勇一さん【『新しい高校野球のかたち』を考えるvol.3】

2024.05.08

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.05.13

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在29地区が決定、愛媛の第1シードは松山商

2024.05.09

プロスカウトは190センチ超の大型投手、遊撃手、150キロ超右腕に熱視線!この春、浮上した逸材は?【ドラフト候補リスト・春季大会最新版】

2024.05.09

【熊本】九州学院は城北と文徳の勝者と対戦<NHK旗組み合わせ>

2024.05.09

「指導者はどこにいる?」九里学園(山形)が 選手主体の”考える野球”で成果着々

2024.04.21

【愛知】愛工大名電が東邦に敗れ、夏ノーシードに!シード校が決定<春季大会>

2024.04.22

【春季愛知県大会】中部大春日丘がビッグイニングで流れを引き寄せ、豊橋中央を退ける

2024.04.29

【福島】東日本国際大昌平、磐城、会津北嶺、会津学鳳が県大会切符<春季県大会支部予選>

2024.04.22

【鳥取】昨年秋と同じく、米子松蔭と鳥取城北が決勝へ<春季県大会>

2024.04.23

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?