News

初戦敗退も「センター返し」が評価され逆転選出!2003年センバツの近畿6枠目争い

2022.01.22

初戦敗退も「センター返し」が評価され逆転選出!2003年センバツの近畿6枠目争い | 高校野球ドットコム
近大附のユニホーム

 1月28日にいよいよ2022年選抜高校野球大会の出場32校が決定する。これまでに数々のドラマを生んできたセンバツ出場校の発表。今年はどんなドラマが待っているのだろうか。

 運命の日を前に、過去のセンバツ出場決定で起こった「サプライズ」を振り返ってみたい。

初戦敗退も「センター返し」が評価され逆転選出!2003年センバツの近畿6枠目争い | 高校野球ドットコムあわせて読みたい!
県4強、近畿16強敗退でまさかの吉報!1984年センバツで起こったサプライズ選出
初戦敗退も「センター返し」が評価され逆転選出!2003年センバツの近畿6枠目争い
条件重なり和歌山の古豪が逆転選出!70年ぶりの出場を勝ち取った2007年センバツ
菊池、大谷、佐々木…花巻東のスター数珠繋ぎは2009年センバツ「逆転選考」から
「東北絆枠」選出の山形中央、落選酒田南も意地見せた!2013年センバツのドラマ
激戦の選考だった2017年センバツの「慶應VS日大三」メンバーのレベルも高かった!
153キロ左腕を擁した横浜が「史上初」パターンで選出された2019年センバツ選考

2003年(平15)第75回大会

「センター返し選考」ともいうべきだろうか。近畿の6枠目をめぐって最終的な選考理由が「センター返しが上手い」近大附(大阪)がセンバツ出場を手にした。

 前年秋の近畿大会で大阪勢の3校、1位近大附、2位東海大仰星(現東海大大阪仰星)、3位大阪産大附すべてが初戦敗退してしまった。優勝したのは平安(京都)、準優勝は智辯和歌山(和歌山)、4強が斑鳩(現法隆寺国際=奈良)と東洋大姫路(兵庫)だった。この4校はすんなり選考されたが、残り2枠をどうするか。優勝した平安に準々決勝で接戦の末に2点差で敗れた近江(滋賀1位)が実力を認められて、5校目に選考された。

 さて6校目である。ベスト8に入った箕島(和歌山)、南部(和歌山)、育英(兵庫)のうちいずれかの高校かと思われたが、選考対象校に近大附が入っていた。初戦敗退ながら大阪で優勝し、潜在能力の高さが認められていた。和歌山1位の南部と兵庫1位の育英、それと近大附の争いで激論が交わされたという。そして最終的に「センター返しができる粘り強い打線をもっている」という理由で近大附が6枠目を勝ち取った。

 大阪勢はそれまで1度しかセンバツ出場を逃したことがなかった。地元チームがゼロというのはさすがにどうかという判断もあったかもしれない。

 近大附は1984年には、前年の近畿大会で4強に入りながら、同8強に入れなかった大阪の進学校・三国丘に敗れてセンバツを逃していた。「センター返し」で悲しい過去を払拭した形となった。センバツの初戦では、のちに阪神に入団する小嶋 達也投手擁する遊学館(石川)に8対16で敗れた。相手の16安打とほぼ互角の15安打を放ったが敗戦。5点差を一気に追いついた6回攻撃途中で降雨ノーゲームとなった末の再試合でもあり、ツキもなかった。

 近大附はこの年の夏は準決勝で敗れ甲子園は逃している。センバツ選考に敗れた南部は決勝で敗れ、箕島育英は4強どまり。どのチームも夏の甲子園には届かなかった。

 ちなみに、2003年センバツの選考では、北信越で単純に戦績のみで選考されなかったこともあった。優勝した遊学館ともう一つの1枠には、準優勝した福井商ではなく、優勝した遊学館に準々決勝で1対2で敗れた福井(現福井工大福井)が選考された。理由は県大会での直接対決で福井が勝利していること、エース投手が前年秋以降の防御率0点台と安定感を誇っていることが挙げられた。地区大会1勝のチームが3勝したチームに競り勝って選考される形となった。

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.04.19

【島根】石見智翠館、三刀屋がコールド発進<春季県大会>

2024.04.19

【山口】下関国際、高川学園、宇部鴻城がコールド発進<春季大会>

2024.04.19

【福岡】福岡大大濠-福岡、西日本短大附-祐誠、東筑-折尾愛真など好カード<春季地区大会>

2024.04.19

【春季千葉大会展望】近年の千葉をリードする専大松戸、木更津総合が同ブロックに! 注目ブロック、キーマンを徹底紹介

2024.04.19

【熊本】熊本国府は鎮西と対戦<RKK旗組み合わせ>

2024.04.14

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.04.15

四国IL・愛媛の羽野紀希が157キロを記録! 昨年は指名漏れを味わった右腕が急成長!

2024.04.17

仙台育英に”強気の”完投勝利したサウスポーに強力ライバル現る! 「心の緩みがあった」秋の悔しさでチーム内競争激化!【野球部訪問・東陵編②】

2024.04.16

【春季埼玉県大会】2回に一挙8得点!川口が浦和麗明をコールドで退けて県大会へ!

2024.04.15

【春季和歌山大会】日高が桐蔭に7回コールド勝ち!敗れた桐蔭にも期待の2年生右腕が現る

2024.04.09

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?

2024.04.05

早稲田大にU-18日本代表3名が加入! 仙台育英、日大三、山梨学院、早大学院の主力や元プロの子息も!

2024.04.14

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.04.02

【東京】日大三、堀越がコールド発進、駒大高はサヨナラ勝ち<春季都大会>

2024.03.23

【春季東京大会】予選突破48校が出そろう! 都大会初戦で國學院久我山と共栄学園など好カード