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【三重展望】前編 春の王者・いなべ総合は今年も盤石か。三重は初戦から強敵と激突!!

2018.07.11

 7月13日から開幕する第100回三重大会。今年は三重が選抜ベスト4と躍進を遂げ、さらに実力校も多くひしめく大会だ。そんな三重大会の見どころを前編・後編の2回にわたって紹介。まずはいなべ総合三重の両ブロックの見どころを紹介していく。

2年ぶり甲子園を狙ういなべ総合がリード

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第一シード いなべ総合が一歩リードか?

 第1シード・いなべ総合学園は投攻守全てにおいて、ひとつひとつのプレーの精度がライバル校より高い。尾崎監督は「平凡な選手達が努力に努力を積み重ねて来たチームです」と評する。投手陣は、いなべ総合が2010年に初出場した際に大活躍した岡部投手二世だと尾崎監督の期待のかかる2年生左腕・木戸瑛心が急成長し春先やや出遅れたエース・石川拓哉と背番号1を争ってきた。

 
 

 春先は不調で背番号1を付けながら東海大会ではマウンドに上がることのなかった石川も徐々に調子を取り戻し県外強豪校との練習試合でも好投出来るようになってきた。面白い存在なのが、サウスポーサイドスローの小半田萩都で変則フォームであり特に左打者は戸惑う事が多い。

 

 いなべ総合の強みはチームワークと「捕手・佐藤の存在です」と尾崎監督が惚れ込んでいる正捕手・佐藤颯斗。洞察力に優れ好リード、強肩の守備の要であり打っても4番を任されるチームの柱だ。守備は例年通りよく鍛え上げられ穴はなし、打つ方も従来の精度の高い細かい技ありにプラス一発長打も出るようになり第1シードに相応しい好チーム。2年ぶりの甲子園出場に期待がかかる。

 

 同ブロックでは宇治山田商も注目。1年生の夏からマウンドを経験している技巧派左腕の小川隼生は制球が良く多彩な変化球を駆使する。俊足で守備範囲の広い藪本周太岡陽基加藤輝の外野手は全員2年生ながら光る逸材。守りからリズムを作る。

 変化球にキレのある木本徳田光希対180センチの長身から140キロ近い直球を投げ込みスライダーとカーブにもキレがある紀南横辻海との対戦は注目カードだ。

 ストレートが武器の伊勢工・小野低めへのスライダーに力のある三重明野の堀洸太にも注目。

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投手層の厚い三重を追う実力校

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センバツ出場校 三重※写真提供 共同通信社

 第4シード・三重。今春センバツではベスト4を経験。春季大会では2回戦で津商業に敗退するも、やはり今夏の三重大会でも優勝候補の筆頭に上がるだろう。なんといっても投手陣の層の厚さは県内トップクラス。

 投手陣はセンバツでも日大三高戦や大阪桐蔭戦で好投を見せた定本拓真は最速145キロのストレートに馬力がある。センバツではエースナンバーを付けたサイドスローの福田桃也は低目への制球力が光る。最速140キロの山本大雅やセンバツでは唯一の左腕だった吉井洸輔など経験豊富な投手陣に加え、2年生の山下遊聖などセンバツでベンチ外だった選手も多く頭角を現している。多種多様な投手陣をリードする強肩が武器の捕手の東亮汰も注目。

 

 攻撃では梶田蓮浦口輝曲孝史朗の上位はバッティングセンスだけでなく足で搔きまわす。センバツで大当たりだった2年生の小川尚人が4番に入り、更に同じく2年生でセンバツはベンチ外だったものの、昨秋では4番を打っていた伊藤陸など攻撃陣にも調子を上げている選手がどんどん出て来て層の厚さでは県内随一。
 恐らくセンバツとは違ったメンバー層入れ替えになる可能性も考えられ、楽しみである。

 

 三重初戦の相手、松阪商も優勝を狙える実力校であり、抽選会で松阪商三重戦を引き当てた際には大きな歓声が湧き上がった。三重松阪商戦は大会の流れを左右する大一番だ。

 

 松阪商はここ数年、破壊力のある打線で力を付けてきた松阪商は、昨秋県大会3位で55年ぶりの東海大会へ進出。
 今春の地区予選では三重にも勝利。4番を打つ藤崎智也は高校通算30本超え、選球眼も良く県内随一の注目のスラッガー。藤崎は春季大会ではエースナンバーを付け、最速130キロ台のストレートと変化球を181㎝の長身で活かす。

 

 また変化球にキレのある渡辺敢太は牽制も上手く、技巧派タイプ。大野凌児堀江健斗の二遊間は守備の要。大野凌児藤崎智也と共に攻撃の中心でもあり、主将としてもチームをまとめる。

 

 昨春の県大会優勝の近大高専。旧メンバーから残ったのは主将の酒井皓大のみ。その酒井と石井雄太米澤夢翔大には長打力あり打線の要。足の速い選手も多く、盗塁やエンドランなど機動力もある。浮名貴弘吉森海心鳥井慎二など豊富な投手陣を強肩捕手の石井雄太が巧みにリードする。

 相可は右サイドの技巧派、江尻安希人と右上手から直球にキレのある東條満久の異なる2枚看板。捕手の高橋優太もリードが良い。長打のある松浦冬依杉田悠陽、身長194センチ・体重101キロの村田怜音などが攻撃の中心。

 他には皇學館の将来性豊かな140キロ右腕・奥村俊馬四日市工のスケールの大きな左腕・種村龍との投げ合いにも注目。センバツベスト4時の主力選手だった中西氏が昨秋から監督に就任し意識改革に取り組んでいる桑名西、元々粘り強いチームだっただけに母校に戻った新監督の手腕に期待がかかる。

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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