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【鹿児島展望】シード校、初戦の好カード多し! 地に足つけた実力問われる!

2017.06.29

 第99回全国高校野球選手権鹿児島大会の組み合わせ抽選会が6月17日、鹿児島市の鶴丸高校文化館で行われた。

 今大会の出場校は2つの連合チームを含む73チーム78校。大会は7月1日に鹿児島市の県立鴨池球場(雨天時は鴨池ドーム)で開会式があり、県立、鴨池市民の両球場で17日まで(雨天順延)夏の甲子園を目指した熱戦を繰り広げる。開会式の選手宣誓は鹿児島第一の萩原健士郎主将(3年)が務める。

 抽選会では参加校の投票でシード校が選出され、神村学園鹿児島実鹿児島城西樟南大島れいめい、鹿児島池田、武岡台の8校がシードとなった。このあと残りチームが抽選し、対戦カードが決まった。

 春の鹿児島、九州、NHK旗と3大会で優勝した第1シードの神村学園を筆頭に、九州準優勝の鹿児島実、NHK旗準優勝の鹿児島城西などシード勢が優勝争いのカギになりそう。神村学園沖永良部鹿児島実鹿児島情報樟南加治木れいめい錦江湾、鹿児島池田が鹿児島と対戦するなど、シード校の初戦に好カードが多い。昨年に比べると上位チームにも絶対的な計算ができるエースが見当たらない分、ノーシード校の快進撃も十分期待できそう。

 昨夏はシード校が序盤で姿を消す番狂わせが多かった一方で、樟南鹿児島実が史上初の延長15回、引き分け再試合で決勝戦を争うなど、甲子園を勝ち取るためには地に足の着いた本物の実力が問われることも印象的だった。梅雨の影響で大会日程が延びることも考えた上で、長丁場の戦いを勝ち抜く心技体をどれだけ準備できるか、カギになりそうだ。

 ここからは、組み合わせを4つのパートに分けて大会の展望を考えてみた。

神村学園―武岡台パート

青柳 貴大(神村学園)

 春以降、公式戦負けなしの神村学園が頭一つ抜ける。強力打線に加えて左腕・青柳貴大(3年)、右腕・中里琉星(2年)の両腕が安定し、攻守にスキがなくなりつつあり、5年ぶりの夏に並々ならぬ執念を燃やす。初戦で当たる沖永良部は昨夏、シード鹿児島城西に土をつけた再現を狙う。第8シードに滑り込んだ武岡台は投打にまとまっており、チーム力は高い。好右腕を擁する出水中央も注目の好チーム。好左腕・池田蓮(3年)を擁する鹿屋農鹿屋工の対戦は2回戦の好カード。打線の良い川内商工も虎視眈々と上位進出をうかがう。

大島―樟南パート

 昨夏の代表校・樟南は初戦で加治木と対戦する。チーム力はシード校に引けを取らない尚志館鹿児島工伊集院との対戦が序盤で予想され、気の抜けない戦いになりそうだ。投手陣が安定してきており打線の奮起がカギになりそう。鹿児島大島は春、NHK旗で4強入りして4年連続のシード校入り。この4年間秋、春、NHK旗と公立では群を抜く勝率を誇るが、夏は14年のベスト16が最高戦績。知将・塗木哲哉監督の下、更なる上位進出に燃える。鹿児島玉龍加治木工、この春から新監督が就任した強豪校の戦いぶりも注目したい。

[page_break:鹿児島城西―れいめいパート / 池田―鹿児島実パート]

鹿児島城西―れいめいパート

石川 槙貴(鹿児島城西)

 昨秋、春と8強で足踏みしていた鹿児島城西はNHK旗初戦で鹿児島実を破り、決勝に進んで自信をつけた。県下屈指の好右腕・石川槙貴(3年)を擁し、打線の力も神村学園鹿児島実に比肩する。昨夏初戦敗退の雪辱に燃える。第6シードれいめいも実力は上位クラスにそん色ない。初戦で春8強の錦江湾と対戦し、1回戦屈指の好カード・鹿屋中央鹿児島南、昨夏4強の川内の勝者が3回戦で待ち構えており、序盤の難敵を退けて勢いづきたい。昨秋8強の出水、夏に強い国分中央、昨夏4強の志布志種子島などの公立勢がこれに続く。

池田―鹿児島実パート

 第2シード鹿児島実渡邊竜基(3年)、川越彪(3年)ら右腕投手陣が成長し、試合運びが安定してきた。春の九州大会では福岡大大濠(福岡)、秀岳館(熊本)に勝って決勝に進み、自信と経験を積んだ。NHK旗の初戦敗退は慢心を打ち砕く薬になったことだろう。難敵・鹿児島情報との初戦は要注意。初めて夏のシード校になった鹿児島池田は2年生を中心に成長著しい。鹿児島との初戦は2回戦注目の好カードだ。春8強の徳之島と古豪・鹿児島商の対戦も好勝負が期待できそう。南薩地区の薩南工枕崎、大隅地区の曽於などもチェックしておきたい。

(文=政純一郎


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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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