帝京第五vs三島
帝京第五、三島の強打を脚と頭脳で封じる!
先発して好投を見せた坂本優樹(帝京第五)
昨秋の愛媛県大会を初制覇した帝京第五の巧みな試合運びが光った。相手は東予地区予選で川之江に対し「同じ四国中央市のライバルに対し闘志を出してくれて」(宮崎 修一監督)10得点で7回コールド勝ちの三島。続く今治東も18得点と勢いに乗る相手に対し、帝京第五・髙谷 学監督は先発投手に「調子のいい」右サイド・坂本 優樹(3年・右投右打・169センチ68キロ・東京練馬ボーイズ<東京>出身)を指名した。
さらに帝京第五は川之江戦で最速139キロをマークした三島の右スリークォーター・石川 皓裕(3年・177センチ72キロ・右投右打・伊予三島リトルシニア出身)に対しては「タイプ的に緩いカーブはない」とスピードボールとスライダー対策を準備。これに持ち味である脚力を掛け合わせたことにより、彼らは三島の力を大きく削ぐことに成功したのである。
その強い意志は序盤の攻撃に如実に表れる。初回は二死後、右前打で出塁した3番・豊留 輝将(3年主将・三塁手・右投右打・169センチ70キロ・東淀川ブラックジャガーズ<大阪・軟式>出身)が4番・若宮 大聖(3年・左翼手・右投右打・180センチ72キロ・宇和島ボーイズ出身)の右中間安打で外野手の連携が取れない間に一気に生還。
3点先制への流れを作ると、2回表は1番・迫間 祥平(3年・遊撃手・右投右打・174センチ68キロ・京都ヤングフレンド<京都>出身)・豊留・若宮の盗塁を絡め、四国選抜オーストラリア遠征メンバーの5番・谷本 陸(3年・右翼手・左投左打・166センチ69キロ・内子町立五十崎中出身)の適時打などで7対0として試合の趨勢をほぼ決めたのである。
帝京第五・片岡 大吾(3年・捕手・右投左打・174センチ69キロ・東京練馬ボーイズ<東京>出身)のリードも心憎かった。「初回は様子を見て内外角に配球し、ストレートに差し込まれているのを見て3回からはストレートを多めにした」リードで三島打線を6安打3点のみに防ぐことに成功。そして片岡らチームメイトはある誓いを今大会秘めている。優勝した時にのみ達成できることとは……。それはその時に記すとしよう。
(レポート=寺下 友徳)