試合レポート

武南vs上尾

2017.04.27

146キロ右腕・布川雄大(武南)、上尾打線を速球で圧倒!

武南vs上尾 | 高校野球ドットコム
布川雄大(武南)

 県大会は39チームしか出場しない。そのためどこも精鋭揃いなので、初戦から注目のカードが実現する。プロ注目右腕・布川雄大擁する武南と強豪・上尾の対決は1点を争う好勝負となった。

 プロ注目の布川は187センチ83キロと堂々たる体格を誇る速球派右腕。この試合では最速146キロを計測したといわれるが、手元のガンでは常時135キロ~140キロを計測。だが、見た目以上にボールに勢いを感じさせる投手で、140キロ中盤を計測していた本田仁海星槎国際湘南)、翁田大勢西脇工)とひけをとらないボールを投げ込む投手だった。

 投球フォームを見ると、左足を豪快に上げてから、インステップ気味に踏み込んでいき、内回りのテイクバックから、オーバースローで強い腕の振りができるのが最大の強み。インステップ気味で、打者寄りでリリースすることができているので、打者からすればマウンドが近く感じる投手だと考えられる。序盤はまだ自分の思い通りのストレートを投げられず、当てられることが多かった布川。4回表に6番坂巻の左前適時打で1点を失う。

 打線は5回裏に二死二塁から1番松岡の適時打や相手の敵失の間に逆転に成功する。

 この逆転により気分が楽になったのか。布川は6回以降から調子を上げていき、130キロ後半~140キロを計測することが多くなった。そうなると、布川の速球にくらいついていた上尾打線もなかなか打球を前に飛ばすことができなくなっていた。特に8回以降はフォーム全体に躍動感が出て、角度があり、破壊力を兼ね備えたストレートで上尾打線をねじ伏せた。

 布川は1失点完投勝利で、2回戦進出を決めた。終盤になるほど球速は上がっており、この馬力の大きさは、今年の関東の右腕ではなかなか見られない。今年のドラフト市場は投手が不足しており、継続的にマークすべき投手であることを示した。

 敗れた上尾は、エースの酢谷 樹平はなかなかの好投手で、右スリークォーターから投げ込む直球は120キロ後半~133キロを計測。下半身主導のフォームからキレのあるストレートを投げ込んでおり、スライダー、カーブのキレの精度も高く、夏へ向けて進化が期待できる投手だ。

 選手たちを見ていても活気があって、安打が出るごとに大きく喜びを表すスタイルを見せる上尾。布川を打ち崩すことはできなかったが、選手たちのスイングを見ると、県内でも高いレベルに達しているチーム。プロ注目の投手と戦った経験が夏につながることを期待したい。

(取材・写真=河嶋宗一

武南vs上尾 | 高校野球ドットコム
注目記事
2017年度 春季高校野球大会特集

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.05.28

【大分】佐伯鶴城は4戦3勝、杵築は4戦で1勝<強化試合>

2024.05.28

春の福岡地区を制した沖学園(福岡)、勝利のカギは異例の「決勝直前沖縄合宿」だった

2024.05.28

【鹿児島NHK選抜大会】川内商工が2試合連続逆転サヨナラ勝ち!雨のため2試合が継続試合

2024.05.28

【鹿児島NHK選抜大会】錦江湾が1点差勝利!出水工の追い上げ、あと1点及ばず

2024.05.28

交流戦開幕、初戦の注目は髙橋宏斗vs.今井達也の初対決!

2024.05.25

【熊本】九州学院、熊本工が決勝へ<NHK旗>

2024.05.25

【関東】白鷗大足利が初、逆転サヨナラの常総学院は15年ぶり決勝<春季地区大会>

2024.05.25

首都2部優勝の武蔵大の新入生に浦和学院の大型左腕、左の強打者、昌平の主軸打者など埼玉の強豪校の逸材が入部!

2024.05.25

【岩手】盛岡大附がサヨナラ、花巻東がコールドで決勝進出、東北大会出場へ<春季大会>

2024.05.26

【近畿大会注目チーム紹介】実力派監督就任で進化した奈良の名門・天理。超高校級の逸材3人を擁し、緻密な攻守で全国クラスのチームに!

2024.04.29

【福島】東日本国際大昌平、磐城、会津北嶺、会津学鳳が県大会切符<春季県大会支部予選>

2024.05.21

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?

2024.04.29

【岩手】盛岡中央、釜石、水沢が初戦を突破<春季地区予選>

2024.05.15

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.05.13

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在29地区が決定、愛媛の第1シードは松山商