試合レポート

徳之島vs加治木

2015.03.27

磨いた「武器」、随所に発揮・徳之島

徳之島先発の野崎龍正

 徳之島は初回、4番・立山真輝(3年)のライト線二塁打で先制。2回は二死から9番・喜多川大地主将(3年)のレフト線二塁打を皮切りに3番・新田雄斗(3年)、4番・立山の連続タイムリーで4点を加え序盤で主導権を握った。

 先発の野崎龍正(3年)はコーナーと緩急を丁寧に使った投球がさえ、終盤のピンチも粘り強くしのぎ、終始試合を優位に進めることができた。

 強打、足攻、堅守…徳之島が冬場に磨いた「武器」を随所に発揮し、シード加治木をねじ伏せた。
序盤、振り込んで鍛えた強打で先手を取った。「昨秋悔しい思いをして、一冬過ごした成果を見せるためにも、入りにはこだわった」と田村正和監督。攻撃型のチームらしく、先攻をとり、4番・立山のライト線二塁打で先制した。

 圧巻は2回だ。簡単に二死を取られてから、9番・喜多川のレフト線二塁打を皮切りに、死球を挟んで4連打を浴びせて4点を奪った。

 チームコンセプトは「ベルト付近の甘いボールは積極的に打つ」。
前の2人が簡単に打ち上げていたから、喜多川主将は「じっくり待って打とうか?」と一瞬ためらったが、内角のベルト付近の甘い初球を振り抜いた。この試合、全体的に打ち上げが多かったのが今後の課題に残った中、この得点機の場面は質の良い低い打球で主導権を握ることができた。

 7、9回はいずれも四球で出た8番・新田和が二盗、三盗を決め、追加点に絡んでいる。お家芸の「足攻」でダメ押した。

 昨秋の3回戦・鶴丸戦は、先発の野崎が制球難でリズムを作れず、要所で守備も踏ん張れずに自滅だった。この試合の野崎は、緩い変化球とコーナーワークをうまく使い、打たせて取る投球でリズムを作った。
7、8回と先頭打者を出したが「ピンチでも地に足がついた守備ができた」と喜多川主将は言う。プレーの前に互いに声を掛け合い、足を動かし「ボールを下から見る」(喜多川主将)低い姿勢を徹底し、堅守で野崎を盛り上げた。

「抽選会で自分が引いた相手だったので、何とか壁を越えさせたかった」と田村監督。昨秋はコールド負けで終わったが、持っている力を発揮すればシード校相手でも十分戦える手応えがつかめた初戦だった。

(文=政 純一郎

2015年度 春季高校野球大会 特設サイト
【ひとまとめ】2015年の全国各地の高校野球を占う!

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.05.22

【愛知・全三河大会】三河地区の強豪・愛知産大三河が復活の兆し!豊川を下した安城も機動力は脅威

2024.05.23

春季関東大会でデビューしたスーパー1年生一覧!名将絶賛の専大松戸の強打者、侍ジャパンU-15代表右腕など14人がベンチ入り!

2024.05.22

【宮城】仙台育英は逆転勝ち、聖和学園が接戦を制して4強入り<春季県大会>

2024.05.22

【北信越】帝京長岡の右腕・茨木に注目!優勝候補は星稜、23日に抽選会

2024.05.22

【秋田】明桜と横手清陵がコールド勝ちで4強入り<春季大会>

2024.05.21

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?

2024.05.17

「野球部や高校部活動で、”民主主義”を実践するには?」――教育者・工藤勇一さん【『新しい高校野球のかたち』を考えるvol.5】

2024.05.20

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在31地区が決定、宮城では古川学園、仙台南、岩手では盛岡大附、秋田では秋田商などがシードを獲得

2024.05.19

【東海】中京大中京がコールド勝ちで17年ぶり、菰野は激戦を制して23年ぶりの決勝進出<春季地区大会>

2024.05.20

【春季京都府大会】センバツ出場の京都国際が春連覇!あえてベンチ外だった2年生左腕が14奪三振公式戦初完投

2024.04.29

【福島】東日本国際大昌平、磐城、会津北嶺、会津学鳳が県大会切符<春季県大会支部予選>

2024.05.21

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?

2024.04.29

【岩手】盛岡中央、釜石、水沢が初戦を突破<春季地区予選>

2024.04.23

床反力を理解しよう【セルフコンディションニングお役立ち情報】

2024.05.15

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?