大成vs都立江戸川
打のチームを目指した大成が11安打で都立江戸川を下す！
3安打放った4番池上 輝（大成）
この夏の西東京大会初戦で大成は初戦で明星に2対3で敗退。すぐにスタートした新チームに、五島徹也監督は問いた。
「このチームをどんなチームにしたい？」
その質問に、捕手の池上 輝（2年）はこう答えた。
「打って勝てるチームになりたいです」
部員たちの思いは一緒だった。その日から、夏の練習の7～8割はバッティング練習となった。チーム間では、「しっかりと振り抜き、つなぐバッティングをしよう」と話し合い、徹底的に打力を高めていった。
そして、2年ぶりに出場した秋季都大会では、この夏の東東京8強の実力校・都立江戸川との対戦となったが、11安打と打線がつながり、見事、初戦突破を果たしたのだった。
試合は、序盤から大成がリードする。
初回、大成は1番林 遊之介（2年）が中前打で出塁。2番佐藤凌太（2年）が犠打、3番関口健太（2年）が相手守備のエラーで、一死一、三塁の先制のチャンスを作ると、4番池上の右前適時打。さらに二死から、7番岡部瑛仁（2年）の内野ゴロが相手守備のミスを誘って、2点を追加。
その裏、都立江戸川も、大成の先発・竹内優貴雄（2年）を攻め立てる。2番吉識淳貴（1年）が四球、4番髙橋瑠平（2年）が左前打で、二死一、二塁とすると、5番上之園浩輝（2年）の右前適時打。さらに、6番廣瀬駿平（1年）が、左中間への2点適時打を放って3対3の同点に追いつく。
しかし、大成は中盤以降も、都立江戸川の好投手・髙橋の甘い球を見逃さない。4回に1番林が左前打でチャンスを作ると、4番池上の適時打で勝ち越し。6回にも、二死走者なしから、2番佐藤凌太（2年）が右前打。3番関口が相手失策、4番池上が四球を選んで、二死満塁とすると、5番石井智也（2年）、6番篠田珠暉（2年）、7番岡部の連続二塁打で、この回一挙5点を追加。9対3と都立江戸川を突き放す。
長打2本放った1年生の6番廣瀬駿平（江戸川）
それでも、都立江戸川も、今夏の東東京大会ベスト8入りを果たした地力をみせる。
7回裏には、9番鈴木啓大（1年）の左前打、1番南 壮流（2年）がエラーで出塁。さらに、パスボールが絡んで、無死二、三塁とすると、2番吉識の犠飛、4番髙橋の適時打で2点を返す。
8回にも、6番廣瀬の二塁打などから1点を追加するも、反撃はここまで。
9対4で迎えた9回裏、大成のエース竹内は自慢のストレートで、都立江戸川打線を3者凡退に抑え、勝利を決めた。
試合後、竹内は、
「今日は変化球が入らず苦しみましたが、低めを丁寧につくピッチングを心掛けました」と話した。また、竹内をリードした捕手の池上も、「竹内は、ピンチの場面でも気持ちを切らさずに投げられる投手です」とエースの好投を称えた。バッティングでも、池上は4番打者としても活躍。
「これまでは詰まった打球が多かったのですが、今日は、みんなで振り切ろうということを目標にしてつないでいけました」と、この日は、3安打2得点とチームに貢献した。
敗れた都立江戸川は、守りでのミスが失点に響く場面が目立った。芝 浩晃監督は、試合後のミーティングでも、
「ピッチャーが苦しい時に守ってやれるチームにならないと」と選手たちに伝えた。
「今日は緊張で固くなってしまった部分もあったと思います。でも、秋は守れるチームが強い。一冬こえて、たくましくなって、春は結果を残していきたいです」（芝監督）と試合後に語った。
（文＝編集部）
