【春季愛知大会地区予選】享栄が5回に一挙8点を奪って、食い下がる愛知を粉砕
享栄・山田陸
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<春季愛知県高校野球名古屋地区1次予選:享栄12-5愛知(7回コールド)>◇21日◇Iブロック代表決定戦◇享栄グラウンド
この春の名古屋地区ブロック予選では、享栄グラウンドのIブロックに愛知が入り、全12ブロックの中では、一番の注目ブロックになった。愛知は前日、日進西に11対1で勝利し、享栄は菊里に何と24点も奪っての勝利だった。
グラウンドではかなり強い風が吹き抜けていたこともあったのか、新基準の低反発バットは関係ないと言わんばかりに、長打が飛び交った。愛知は7回の古森 星光内野手(3年)の本塁打を含めて4本の長打、享栄はパウエル キアヌ外野手(3年)の三塁打に山田 陸内野手(3年)の2本の二塁打など、8本の長打を放った。少し上がった打球は風に乗って野手の頭上を越えていったというケースが多かった。
先制したのは愛知だった。初回、ともに安打の走者が複数出たが、享栄は愛知の左腕・山本 一博投手に抑えられた。そして、その裏、愛知は先頭の服部 侑太外野手(2年)が二塁打で出ると、1死後、濱井と古森の連打で先制した。力のある享栄に対して愛知が先制したことで、試合としては面白くなるかなと思えた。
しかし、取られたらすぐに享栄も取り返す。2回に1死から仲谷 成真内野手(2年)が中越え二塁打すると、内野ゴロで三塁に進み、9番・杉本 純也捕手(3年)の中前打で同点となった。試合は振り出しに戻って、1対1のまま5回を迎えた。
この回、1番からの好打順だった享栄は、パウエルが右前打するとバントで進み、3番・永田 蒼空外野手(3年)の二塁打で享栄がリードする。そこから3連打と死球の後、9番・杉本の二塁打に、この回2度目の打席のパウエルの三塁打や、山田の二塁打も飛び出して、この回打者12人で大量8点を奪い、完全に主導権を握った。
その後も、3本の二塁打などで、6、7回に1点、2点を追加。6回からリリーフした右サイドの水ノ江 修人投手がやや制球に苦しみながらも、何とか7点差をキープする形で抑え切ってコールドゲームが成立した。
享栄の大藤監督は、「今年のチームは、打つときは突然打ち出すもんで、こういう感じの試合が多いんだわ」と苦笑していた。先発した187センチの長身左腕の小山 隼和投手(2年)に対する期待は高く「素材力としては、東松(快征投手=オリックス)以上かもしれない。まだ2年生だが、今からスカウトの人たちも大勢来てくれています」というほどの評価だ。
愛知の飛田 陵佑監督は、「いい形で先制できたんですけれどもね。ずっと、我慢するんだ、我慢だよと言ってきていたんですけれども、持ちこたえきれませんでした」と残念がった。それでも、「何とか、県大会に進出して、またそこで、戦えたらと思います」と次へ向けて切り替えていた。
愛知は、上位打線は思い切ったスイングを見せるなど、力強いという印象はあった。過去には甲子園出場の実績もある実力校である。県大会進出へ向けて、今後のチーム作りには、大いに期待はできるであろう。
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