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春季愛知大会 5つの地区予選を占う 全国屈指の激戦県、複雑な予選システムにも注目!

2024.02.22


東邦ナイン ※写真は過去の取材より

春季愛知県大会は4月2週目の土曜日13日から開幕するが、その出場校を決める1次地区予選が3月20日から始まる。その組み合わせが先日発表された。

愛知県は名古屋地区と東西三河地区、知多、尾張の5地区に分かれて、それぞれ独自の方法で代表を競い合う。各地区の予選の戦いを組み合わせから占ってみた。
なお、今春は東三河地区の豊川と名古屋地区の愛工大名電が昨秋の東海地区大会で決勝進出を果たして、センバツに出場するため予選免除となっている。

<春季愛知県大会地区予選組み合わせ>
◆【名古屋地区】予選組み合わせ
◆【東三河地区】予選組み合わせ
◆【西三河地区】予選組み合わせ
◆【知多地区】予選組み合わせ
◆【尾張地区】予選組み合わせ

有力校がぶつかり合う東三河地区

名古屋地区はA~Lの12ブロックがあり、5校(A~H)と4校(I~L)に分かれている。1位校は県大会に進出。シード校を決める順位決定トーナメントを戦う。2位校は2次トーナメントを行い、4校が県大会出場権を得る。

名古屋地区の場合、会場の都合で会場校がそのままシード校となるが、大きな波乱はなさそうだ。今回の組み合わせでは、名経大市邨名古屋同朋が集まったAブロックと、名城大附会場の名経大高蔵菊華のBブロックが激戦となるか。他には、中部大春日丘のGブロックに名古屋国際と尾東地区の高蔵寺がいるというところか。
また、Iブロックの1位争いとなりそうな、享栄愛知は好試合が期待できそうだ。名古屋市工名古屋市工芸に、一昨夏のベスト8の富田もいる、栄徳会場のCブロックも各試合は激戦になりそうだ。

競り合いの西三河地区、大府と日本福祉大附が1位争う知多地区

抜けた存在がない分だけ、毎年、粒揃いで競り合いとなり、どこが抜け出すのか分からないのが西三河地区だ。昨秋の結果は、1位校が三好で2位が安城。西尾と愛知産大三河が4強となったが、この春も混戦は間違いない。秋の4強がそれぞれシードとして各ゾーンに分かれたが、安泰ではないだろう。

愛知産大三河のAゾーンでは人環大岡崎がおり、反対ブロックには岡崎城西と公立校として実績のある西尾東がいる。このあたりの戦いも注目だ。
三好のBゾーンでは、決勝で刈谷との因縁の対決になりそうだが、安城学園と安城東の勝者、刈谷と当たりそうな豊田大谷なども力はある。ここからどこが抜けてくるのか、というのも楽しみである。

Cゾーンも近年、西三河の好カードの1つになりつつある安城と岡崎工科が、この春もぶつかりそうだ。ただ、その前に安城には科技高豊田もしくは、吉良あたりが挑む。岡崎工科には刈谷北が挑みそうだ。刈谷北は人数こそ少ないものの、チームとしてのまとまりがあり、個々の能力も高い。好試合が期待できそう。

西尾のDゾーンには岡崎に豊田西、岡崎北と公立の進学校が集まった。また、反対ブロックでは、刈谷工科と杜若が上がってきそうだが、どちらが出てきたとしても僅差の競り合いになりそうだ。

知多地区は、今季も大府と日本福祉大附の1位争いとなりそうだ。そこに抵抗を示しそうな存在としては、日本福祉大附のゾーンでは横須賀、もしくは東浦と東海南の勝者か。東浦は、八倉波平監督が「チャレンジングベースボール」をテーマとして掲げ、選手たちのボトムアップシステムも徹底するなど、勢いづいたら面白い存在になりそうだ。昨年秋の県大会後の全尾張大会を制した大府は、このゾーンでは2回戦で当たりそうな半田が最初の難関となりそうだ。長野 晴太投手(2年)が注目されている大府だが、半田も昨夏ベスト16に残ったチームから石原 蒼大投手(2年)、大洞 光志朗投手(2年)の左右の投手が残り、期待はできそうだ。その先には、知多翔洋が待ち構える形になりそうだ。

知多地区は16チームから5校が県大会出場となり、1つ負けても敗者戦で勝ち上がれる確率も高い。それだけに、どの位置でどういう投手起用で戦っていくのかということも、大事な要素になっていきそうだ。

長野 晴太(大府)

ベスト8に残れば夏のシード校に!

昨秋は小牧南が県大会ベスト4進出を果たした尾張地区は、34チームが8つのブロックに分かれ、トーナメントと敗者復活戦で競う。小牧南に甲子園出場実績のある誉、愛知啓成、愛知黎明あたりは比較的すんなりと勝ち上がっていきそうだ。最激戦となりそうなのは、大成と誠信が一緒になったCブロックか。誠信は吉浦 楓真投手(2年)、武政 楓生投手(1年)の2人が安定している。澤田英二監督も今季のチームにはある程度の好感触は得ているようでもある。大成も、夏に背番号1をつけていた堺 千真投手(2年)が残っている。2022年創部と新しい勢力の修文学院の戦いぶりも気になるところである。公立勢としては西春と犬山が入ったGブロックが面白い。犬山と丹羽の1回戦も好試合が期待できそうである。

春季県大会は4月9日に組み合わせ抽選が行われ、13日に開幕する。ベスト8に残れば夏の選手権はシード校として3回戦からの登場となる。夏へ向けて、少しでもいい位置で戦いたいというのは、各校とも同じ思いのはずだ。それだけに、各地区予選から好試合が期待される。

小牧南ナイン

<関連記事>
◆【名古屋地区】予選組み合わせ
◆【東三河地区】予選組み合わせ
◆【西三河地区】予選組み合わせ
◆【知多地区】予選組み合わせ
◆【尾張地区】予選組み合わせ
◆【高校野球勢力地図・愛知編】躍進著しい豊川、豊橋中央の「東三河勢」vs.私学四強の「名古屋勢」!

この記事の執筆者: 手束 仁

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