聖パウロ学園vs都立福生
崩せそうで崩せない!都立福生の粘りに苦しみながら、聖パウロ学園が5回戦へ!
八王子市民球場では、第2試合に入ったあたりから、断続的に雨がぱらつき、そのたびに傘の花がぱらぱらと開いたり閉じたりを繰り返す。第3試合、聖パウロ学園対都立福生もそんな小雨の降る中行われた。
シードの聖パウロ学園は3回戦から登場。その3回戦では筑波大駒場を13対3と打ち負かした。
一方の都立福生は昨夏は初戦敗退だったが、今年は2回戦では都立武蔵を5対3、3回戦では都立桜町を4対0と、都立勢を倒してここまで上ってきた。
聖パウロ学園・町田 智輝、都立福生・乙戸 翔平の両先発で始まったこの試合。町田はテンポよくスイスイと危なげのない投球を繰り広げていく。
聖パウロ学園は2回、その町田のタイムリーツーベースで先制するもなおも一死満塁のチャンスを生かせず1点どまり。3回にも1点、5回には7番・井出 大輝のタイムリーツーベースなどで2点を奪うが、ややぎこちない。
毎回四死球をもらい得点圏にランナーを進めるが、あと1本が出ない。ギリギリのところで踏みとどまる都立福生守備陣を崩し切れず、相手のミスでかろうじて点を取っているような状態だ。
守っている都立福生はもちろん、攻めているはずの聖パウロ学園も神経をすりへらすような、ジリジリとした戦いが続く。
6回には、一死から3連続四球で満塁に。5番・小川 聡志が犠牲フライを放ち1点を奪い、続く6番・松尾 奎吾も四球を選び、再び満塁に。だが、後続が続かず、四球を4つもらったこの回も1点のみ。
7回にも三塁までランナーを進め四球を選ぶが、無得点。
逆に8回表、都立福生はこの回から代わった聖パウロ2番手・立川 幸佑の立ち上がりと守備陣の乱れに付け入り、さらに9番・栁下 尚也のヒットで一死満塁。1番・畑中 直人の内野ゴロの間に1点を奪い、一矢報いる。
その裏、聖パウロ学園も井出の内野へのタイムリーで1点を追加するが、そこまで。6対1と聖パウロ学園が勝利し、5回戦進出を決めた。
聖パウロ学園にとって、勝利はしたが華々しい試合ではなかった。四死球をしっかりと選び、ヒットがなかなか出なくても勝つということは、トーナメントを戦う上で必須ではある。だが、次戦以降にやや大きな課題が残る形になったのも事実。四死球は15にも上った。先発の町田が好投を見せただけに、次の5回戦では打線もしっかりと援護したい。
(文=青木有実子)
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