都立神代vs昭和一
14日から開幕した東京都春季大会一次予選。今回は成蹊高校グラウンドで行われた第2試合の、都立神代と昭和一の試合を振り返る。
1回から怒涛の攻撃を展開した都立神代
部員数11名の都立神代
試合が動いたのは、1回表の都立神代の攻撃だった。
1番矢澤へのデットボール、2番北村の送りバントと繋ぎ、得点圏にランナーを進める。そして3番ピッチャーの峯のヒットで先制した都立神代。
続く4番田口のヒット、5番須永のスリーベースヒット、6番尾高、7番只石の連続のツーベースと勢いは止まらず、打者1巡しても尚も止まらない打線の勢いが、初回の7得点となった。
さらに都立神代は、3回に2点を追加し、コールドゲームを目前に昭和一も反撃する。4回裏、5番中川のヒットで1点を返す。その後は、両チーム0点を刻み、7回を終了してコールドゲームが成立した。
しかし振り返ると、初回の大量得点は響いたものの、4回以降は都立神代打線を0に抑えている。
都立神代の恒田監督に試合を振り返ってもらうと、鍵となった選手は投打でチームを引っ張った峯の名前が挙がった。理由としては「(チャンスで)打ってくれたし、要所要所で締めてくれて、テンポよく投げてくれていた」ところから。「冬前と比べると、峯は球威も違ってきてるし、変化球のコントロールも良くなってきているので、そこは変わったところ」と投打に頼れるエースの成長が、今回の勝利に欠かせなかったことなのだろう。
投打でチームを引っ張った峯(都立神代)
堂々としたエースのピッチングと今回の試合での勢いの中から想像できない言葉を、恒田監督から聞いた。現在、都立神代野球部の部員数は11名で試合を戦っている。
しかし選手が少ない中でも、バッティングの良さを披露した都立神代が春の大会までに行ってきたことを聞くと、「特に、これといってはしていないが、マシンバッティングを中心的に行ってきた。それが上手くかみ合ってくれて、良かったと思う」
そして、恒田監督の教えはこうだ。「思いっきりやりなさい、と。エラーしても良いから。エラーするなら前に出てエラーしろ、と。空振りするなら、思い切って空振りしろと、ということだけを伝えています」
都立神代の選手たちからは、選手が11名とは思えない程のエネルギーを感じた。まず、初回に大量に得点しても、毎回攻撃の時は「さあ、点取るぞ!」、守備の時は「守るぞ!」と大きな声で選手同士が声を掛けあっていたところに、「思いっきりやる」という恒田監督の考えが選手たちに反映されているように感じる。
次の試合に向けて「一生懸命やるだけですね」と笑顔で語ってくれた。次の試合は21日(土)に、[stadium]成蹊高校グラウンド[/stadium]で行われる。
次回の試合でも、思い切ったプレーが見られることだろう。
(文=佐藤友美)