試合レポート

松山中央vs内子

2013.09.09

松山中央「別角度からのアプローチ」で狙う再浮上

松山中央vs内子 | 高校野球ドットコム 

松山中央3番・岸森俊樹捕手(2年・主将)

 「この夏はカットプレーばかりやってきました」
 今夏愛媛大会後、部長職から監督に転じた松山中央・吉田茂雄監督の試合後発言は、打撃に力を入れてきた他校から明らかに背を向けるものであった。
 内子戦でも15安打を浴びながら失点は2。5回表二死から先発左腕・高橋大輔(2年)が2番・稲田和真三塁手(1年)に先制適時打を許すも、続く安田秀一捕手(2年)の左翼線に対し2点目を防いだシーンや、1・2回の2併殺など夏の成果は随所にあった。

 6回から1年生変則左腕・松下健将を2番手マウンドに送り込んだことも、後半の攻撃リズム作りに手を貸すことに。内子打線と先発・福嶋司(2年)の好投も十分評価できるが、9回を見据えて最後に逆転した彼らの落ち着きもまた評価に値するものである。

 その先には2010年夏には現在3年生にして東都大1部リーグ中央大の2番手格を確固たるものとしている上田晃平がエースだった南宇和を下し北宇和を28年ぶりベスト8へ導くなど、一世を風靡したスキのない守備とスキを突く走塁の融合をベースにしたチーム力強化があるはず。

「まだ走塁はこれからですね」と語る吉田監督の銀ぶち眼鏡の奥には、山村路直九州共立大→福岡ダイエー)がエースだった1996(平成8)年夏・自らが中心選手だった1997(平成9年)夏の2年連続ベスト8以来の再浮上を期す眼光が既に戻っている。

(文=寺下友徳

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.05.20

【春季京都府大会】センバツ出場の京都国際が春連覇!あえてベンチ外だった2年生左腕が14奪三振公式戦初完投

2024.05.20

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在31地区が決定、宮城では古川学園、仙台南、岩手では盛岡大附、秋田では秋田商などがシードを獲得

2024.05.21

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在33地区が決定、岩手では花巻東、秋田では横手清陵などがシードを獲得〈5月20日〉

2024.05.20

【秋田】横手清陵と本荘が8強入り、夏のシード獲得<春季大会>

2024.05.20

【岩手】花巻東、水沢商、盛岡誠桜、高田が8強入りして夏シードを獲得<春季大会>

2024.05.15

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.05.17

「野球部や高校部活動で、”民主主義”を実践するには?」――教育者・工藤勇一さん【『新しい高校野球のかたち』を考えるvol.5】

2024.05.16

【宮城】仙台一、東北、柴田、東陵がコールド発進<春季県大会>

2024.05.19

【東海】中京大中京がコールド勝ちで17年ぶり、菰野は激戦を制して23年ぶりの決勝進出<春季地区大会>

2024.05.18

【秋田】明桜がサヨナラ、鹿角は逆転勝ちで8強進出、夏のシードを獲得<春季大会>

2024.04.21

【愛知】愛工大名電が東邦に敗れ、夏ノーシードに!シード校が決定<春季大会>

2024.04.29

【福島】東日本国際大昌平、磐城、会津北嶺、会津学鳳が県大会切符<春季県大会支部予選>

2024.04.22

【春季愛知県大会】中部大春日丘がビッグイニングで流れを引き寄せ、豊橋中央を退ける

2024.04.22

【鳥取】昨年秋と同じく、米子松蔭と鳥取城北が決勝へ<春季県大会>

2024.04.23

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?