試合レポート

狭山清陵vs鶴ヶ島清風

2018.04.14

2番文字山の起用が決まる!絶妙なセーフティバントから大量点!

狭山清陵vs鶴ヶ島清風 | 高校野球ドットコム
文字山(狭山清陵)

 狭山清陵vs鶴ヶ島清風との一戦。狭山清陵は2012年春、南稜を県大会優勝に導いた遠山監督によって力をつけている学校である。

 狭山清陵は1回表、二死一、二塁から5番深田が中前適時打を放ち、1点を先制。しかし鶴ヶ島清風の左腕・岡部の丁寧なピッチングを前に苦しみ、1対0で4回表を迎える。遠山監督は選手たちへ。「外角中心の投球になっていたのでしっかりと踏み込んで打ちに行くことを指示しました」そして4回表、6番今井が安打で出塁。7番巽の場面でエンドランを仕掛け、巽は安打。無死一、三塁のチャンスを作り、8番大河原の犠飛で1点を追加。9番浅野の安打で続き、1番清水の右前適時打で3対0。なおも一死一、三塁の場面で、2番文字山(もんじやま)が打席に立った。チーム一の俊足で、バントも得意な文字山。遠山監督からは「相手の内野手の動きを見るとチャンスかなと思って、得意なセーフティバントが文字山には決めてこい」と攻撃のタイムを取って、文字山に指示を送った。

 文字山は「セーフティは絶対決めるつもりだった」と投手・一塁の間に転がる絶妙なセーフティスクイズを決め、4対0。このセーフティバントは大きな一打となり、勢いに乗ったその後、一死二、三塁となって3番亀田の2点適時打で6対0となった。文字山が決めるバントはどれもがラインぎりぎりに決まる。文字山はどういう意識でバントをしているのか。
「膝ですね。膝をうまく使って、タイミングを取ってバントをしています。その感覚を身に着けるために週に1回は必ずバント練習はしています」と語った文字山。俊足を生かすためにバント技術を磨いてきた文字山。その技術は大事な場面で発揮されたのであった。

 そして5回表にもバッテリーミスで1点を追加し、7対0。7回表、一死二、三塁から1番清水の左翼線を破る適時二塁打を放ち、9対0と点差を広げる。そして7回裏、鶴ヶ島清風は5番松田の適時打で1点を返したが、反撃はここまで。狭山清陵が7回コールド勝ちで、代表決定戦へ駒を進めた。

 狭山清陵の攻撃面が目立ったが、守備面では1年生の大河原が公式戦初先発を果たすなど、この試合で登板した3投手は全員初登板。遠山監督は「この大会では夏へ向けて使える投手を多くするのが目的でしたので、使えるめどが出てきたのは良かったと思います」と投手陣の力投を評価。そしてセーフティバントを決めた文字山について「チームでいちばん足が速く、小技もできて使い勝手が良い選手。だからどの打順で使えば文字山の持ち味を発揮できるかと考えたとき、選手たちで話し合って打順を決めたところ2番となりました。普段は下位を打っている選手ですが、キーとして考えていた選手が活躍してよかったです」と2番で活躍した文字山の働きも評価した。

 次は埼玉平成。強豪校との対戦に狭山清陵はこれまでの成果を発揮することができるのか?

(取材・写真=河嶋宗一

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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