梼原vs中村
梼原、センバツ出場の中村破り「町ぐるみの悲願達成」へ王手!
準々決勝では選手12人の宿毛に競り勝ち、すでに明徳義塾が待つ2年連続4回目の大会決勝進出と春夏連続・そして夏の甲子園初出場へ「あと2勝」に迫った高知中村。しかし、準決勝の対戦相手は高知中村をしのぐ勢いと気迫を持って彼らに襲い掛かってきた。
その対戦相手とは創部11年目の梼原(ゆすはら)である。2013年4月から梼原町出身・2007年センバツでは初出場の室戸をベスト8に導いだ横川 恒雄監督を梼原町教育委員会・社会教育スーパーバイザー兼任野球部監督として招き、地域と共生しながらの強化を進めてきたチームは2014年以来2度目の高知大会準々決勝では名門・高知と対戦。終盤はお互いにピンチをしのぎ合うスリリングな展開が続いたが、延長10回の末、5対4で高知に公式戦初勝利を果たした彼らは2回表一、二塁からの併殺崩れが失策となる間に先制を果たすと、4回表に高知中村の絶対的エース・北原 野空(3年・168センチ72キロ・右投右打・高知県立中村中出身)へ一気に襲い掛かる。
この回は一死から主将の7番・和田 吉展(3年・一塁手・181センチ85キロ・右投左打・佐川町立佐川中出身)が執念の一塁内野安打。さらに二死後9番・上岡 亮之(3年・二塁手・164センチ60キロ・津野町立東津野中出身)、1番・秋山 知輝(3年・遊撃手・170センチ64キロ・香南市立野市中出身)も単打で続いた満塁から2番・長岡 星河(3年・捕手・174センチ75キロ・右投右打・宿毛市立東中出身)が、北原の真ん中外よりのボールを逆らわずに右前に運ぶ2点適時打。ここに失策も絡んで秋山も生還し4対0。三塁側スタンドからは大きな歓声が響き渡った。
梼原はこれまでの大会で不安を抱えていた守備も堅かった。エース・13918(3年・178センチ78キロ・右投右打・土佐清水市立清水中出身)は最終回に自己最速タイとなる140キロを出す抜群のスタミナをベースにストレートや勝負どころでのスライダー・スプリットが効果的に決まり、8回まで5安打4四死球無失点で守備もノーエラー。最終回は二死一・三塁から9番・伊予田 遥輝(2年・左翼手・176センチ67キロ・左投左打・高知県立中村中出身)に遊撃内野安打を打たれ1点こそ失ったが、冷静に次打者を1球で仕留め8安打117球完投勝ち。梼原は公式戦初の県大会決勝戦進出を果たし、昨年8月の新人大会準々決勝以来となる明徳義塾への挑戦権を得た。
はたして7月25日(水)13時から行われる高知大会決勝戦で、梼原はどのような闘いを見せるのか?もし、準決勝のような展開を再現できれば、人口3,600人あまりの雲の上の街・梼原町ぐるみの悲願は「甲子園初出場」となって達成されることだろう。
(レポート=寺下 友徳)
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