小豆島vs琴平
新バージョン「ボトムアップ型」小豆島、現在改革進行中!
小豆島vs琴平・1回戦を7回コールド突破し、校歌を歌う小豆島
「これまでは『あのチーム』に近づけようと思ってしまっていたんです」
接戦が予想された琴平との初戦を7回コールドで制した小豆島・杉吉 勇輝監督が現チームとの比較対象にしたのは「スーパーアグレッシブベースボール」を標榜し、わずか選手12人・24の瞳で春季香川県大会を初制覇した2012年バージョンのことである。
ただし以後は思うような結果が伴わず。加えて昨秋県大会は初戦で津田の前に敗退。
「3年生は14人いるので、様々な部分でそれぞれがキャプテンになれる。ただ、元気はいいけど自信がない」現チームの特徴を踏まえ、指揮官は昨年末から小豆島高校野球部を新バージョンで進めることを決断した。
名付けて「ボトムアップ型」。
選手主導で練習メニューや戦い方を決め、指導者はそこに助言を加えていく。サッカー界で「ボトムアップ理論」を展開する広島県立安芸南高校サッカー部監督・畑 喜美夫氏を実際に訪ね、手法や効果を聴いた杉吉監督は、琴平戦3回表の4連打5得点のように一気呵成に攻めこむスタイルは維持しつつも、 選手に練習メニュー及び日程設定・や相手攻略アプローチはほぼ委ねる形を採った。
「振り回しているのが目指す形らしいですが(笑)、それもいいと思っています」
チーム平均で5kg体重を増やし、バッティングゲージ6か所で冬場は大半の時間をバッティング練習に充てるなど準備を整えてきた選手たちが出した「1勝」。課題と収穫の中で、彼らはさらなる改革を進めていこうとしている。
(文=寺下 友徳)