ボディーブローのように効いた秋山翔吾選手の二塁へのタッチアップ!
秋山 翔吾選手(埼玉西武ライオンズ)
ボディーブローのように効いた秋山翔吾選手の二塁へのタッチアップ!
昨日、京セラドームにて2日間行われた侍ジャパン対台湾の強化試合が終了した。両試合とも侍ジャパンが勝利を収めた。初日は先発の菅野 智之選手が3回を0封し、続く大野 雄大選手、小川 泰弘選手、秋吉 亮選手、増井 浩俊選手と無失点に抑え、完璧なピッチングを連続で披露した。また昨夜の2日目は、先制点は奪われたものの、直後の回で筒香 嘉智選手が中犠飛で同点を放ち、9回には2ランで試合を飾った。
どの選手も、開幕に向け、勢いが準備万端の試合だった。そんな中、初日の秋山 翔吾選手【インタビュー前編、後編】が走塁で魅せた。1回裏、四球で出塁した秋山選手は一死一塁の場面で山田哲人選手の中飛から二塁へタッチアップを試みた。これはセンターの動きだったことを緩慢だったのを見逃さずに敢行した走塁だった。基本的に、二塁は外野内野からの距離が近いため、一塁から二塁へのタッチアップは難しいと言われる。しかし、今回、それを覆し、秋山選手の判断は素晴らしいといえる。試合が進めば、相手チームの選手の動き、クセもなんとなくわかるものだが、秋山選手は1回裏。センターの動きが緩慢なのを試合前の練習から観察をしていなければできないプレー。そこにプロの俊足選手としての凄味を感じる。昨年は史上7人目の200本安打を記録し、打撃に注目を置かれたが、走塁も、負けない輝きをもつ。
走ることは、野球において重要なプレーの一つである。通算2千本安打(2133安打)を達成した元ヤクルトの宮本 慎也氏は、「そもそも野球は、打った、投げた、それだけで決着がつくスポーツではありませんからね。」と語る。投げて、打って、その後に、塁に出たら、走ることも重要なプレーであり、身に付けておきたい技術だ。
また、大城 滉二選手(興南卒-立教大学)【インタビュー】は、「結果を気にしてしまっては良い走りができない。思い切って走った結果、アウトになっても仕方ないと割り切る。」と強気な自分の気持ちも大切だと教えてくれた。
今回、得点につながらなかったとはいえ、秋山選手の走塁姿勢はチームにしっかりと根付いており、2試合とも侍ジャパンの積極的な走塁姿勢が目立った。隙を見せれば、俺たちも行ける!というのを秋山選手が示したのではないだろうか。積極的な走塁はボディーブローのように効いていくのだ。