山足 達也選手 (大阪桐蔭)
寸評
今年の6月、大阪遠征をしたときに大阪桐蔭と米国代表・アーバンユースの試合(2011年06月23日)を観戦。その時に最も気になったのが、この 山足 達也 だった。大阪桐蔭の中で、最も対応力があり、鋭い当たりを連発していた。今回は、そんな大阪桐蔭の切り込み隊長をご紹介してみたい。 (守備・走塁面) 一塁までの塁間を、4.3秒前後で駆け抜ける俊足ぶりが光る。このタイムを左打者に換算すると、4.0秒前後に相当。プロに混ぜても、俊足レベルの選手だといえる。そのスピード感を生かしたプレースタイルは、プロレベルでも走力を生かしたプレーが期待できそうだ。 遊撃手としても、最初の一歩目の反応・スタートが早く、スピード感溢れる遊撃手。キャッチング・スローイングなどもダイナミックであるが、スローイングを乱すケースが多い。けして下手な選手ではないのだが、安定感に欠けるところが今後の課題か。元々は、二塁手だった選手のようなので、将来的には二塁の方が向いているかもしれない。しかし地肩は、結構強い部類。鍛えようによっては、遊撃手としての活躍も期待できるかもしれない。いずれにしても、俊足・強肩の素材は、上のレベルでもその成長が楽しみ。 (打撃内容) 身体は大きくないが、大阪桐蔭の核弾頭らしく、まさに強打者。ボールへの対応力は優れるが、打球の多くは引っ張って巻き込むことが多い。あまり右方向へと器用さは感じられない。そういった打てる方向に偏りがあるところが、今後の課題だろうか。球足の鋭い打撃能力は、大阪桐蔭でもNO.1だろう。 <構え> スクエアスタンスで両足を揃え、グリップを高めに添える強打者スタイル。腰の据わり具合や全体のバランスはそれほどでもないが、アゴをグッと引いて前を見据え、構えから高い集中力が感じられます。 <始動> 投手の重心が沈みきったあたりで始動する、中距離打者が採用するスタイル。ある程度の対応力と長打力をバランスよく兼ね備えます。当てるのが上手い一番打者ではなく、強烈な打球で粉砕するタイプです。 <下半身> 足を引き上げて、回し込んできます。足を上げてから降ろすまでの「間」があるので、いろいろな球に対応できます。強打者らしく、ベース側にしっかり踏み込んできて、外の球でも巻き込みます。踏み込んだ足元が、地面から早く離れるので、基本的に引っ張り専門の打撃になっています。それだけに今後は、右方向への打撃も覚えて打撃の幅を広げたいですね。 <上半身> 早めに打撃の準備であるトップを決めて、上からスパッと振り込んできます。そのため速い球にも振り遅れることなく、ボールを叩き潰します。バットの振り出しもよく、ロスなく最後まで振れています。迷いのないスイングが、彼の良さではないのでしょうか。ヘッドスピードも鋭いですし、球足もとても速いです。 <軸> 足を上げ下ろしますが、それほど目線は動きません。踏み込んだ足が早く地面から離れるので、体の開きをグッと我慢して右方向へというタイプではありません。そのため気持ちが早ると、少し体が突っ込む欠点があるようです。
更新日時:2011.09.26
将来の可能性
それほど体格には恵まれていませんが、確かな走力がありますし、遊撃手としてのプレーにもスケールを感じます。何より打撃が素晴らしいので、今後もう少し打てる幅が広がるようになると、将来非常に楽しみです。走攻守三拍子揃った好選手ですが、まだすべての部分で粗いですね。大学や社会人で、その部分が改善されれば、いずれはプロという可能性を秘めていると思います。ぜひ今後も、注目して頂きたい逸材でした。
更新日時:2011.09.26
寸評
タレント集団の大阪桐蔭を牽引する核弾頭。対応力の高さが光る打撃と一歩目が速く確実なショート守備。攻守ともにレベルが高い選手であり、大学・社会人での活躍が期待される選手である。 (打撃) 外角の球と低めの変化球が優れた好打者。右、左へと打ち分ける技術が光るが、決勝戦ではインサイドの対応に課題を残した。 スタンスはスクエアスタンス。グリップは肩の位置に置いて、膝を適度に曲げて背筋を伸ばして構えている。腰も据わっているし、力みも入っておらず、バランスの良い構えといえる。 投手の足が降りたところから始動を仕掛けていき、足を回しこむように上げていき、間をとっていく。足の引き上げでしっかりとタイミングを測ることができており、どの投手にも対応できるタイミングの取り方をしている。踏み込んだ足は真っすぐ踏み込んでいく。 トップの動きを見ていくと捕手側方向に引いていき、肩が入りすぎないのは好感。ただヘッドが投手方向に向けすぎるので差し込まれやすい欠点がある。振り出しは滑らかでインパクトまでスムーズに振り抜くことはできている。リストワークも上手く、上半身の使い方、技術はヘッドの入りすぎ以外は問題ない。 下半身の動きもしっかりしており、踏み込んだ足がブレずにキープができており、根を張ったスイングが出来る。そして股関節の使い方が秀逸で、膝もとの変化球に対しては両膝を沈み込ませて手元で呼び込んで捌くことができている。結果としてはノーヒットだが、打撃フォームの完成度は高く、両サイドと変化球を打ち分ける技術はあるといえるだろう。複数の試合を見て彼の打撃センスが発揮される場面を見たかった。 (守備・走塁) 一歩目が速く、速い打球に対しても素早く追いつくことができており、広範囲。逆シングルからノーステップでスローしても力強く送球が出来る地肩の強さと足腰の強さも魅力的。一つ一つのゴロに対して丁寧にボールを捌く姿が見られ、上のレベルでのショートとしてプレーできるだろう。 塁間タイムは4.3秒前後で左打者に換算すると4.00秒前後で駆け抜けることが出来ており、中々の俊足である。この試合では出塁しなかったので、走塁センスは分からなかった。
更新日時:2011.09.14
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