試合レポート

鹿児島実vs鶴翔・奄美・古仁屋

2022.09.23

ここからが本当の始まり!「鶴翔・奄美・古仁屋」連合

鹿児島実vs鶴翔・奄美・古仁屋 | 高校野球ドットコム
「鶴翔・奄美・古仁屋」連合ナイン

<第151回九州地区高校野球大会鹿児島県予選:鹿児島実27-0鶴翔・奄美・古仁屋(5回コールド)>◇22日◇1回戦◇平和リース

 1回裏、鹿児島実は先頭の一ノ瀬獅堂主将(2年)が左前打で出塁してから、9番・菅田空来(1年)の中前打まで、打者一巡目で早くも全員安打を達成し、10点を奪った。

 2回以降も攻撃の手を緩めず、3回は打者17人、12安打で13得点を挙げた。

 先発のエース菅田は5回まで散発2安打、二塁を踏ませず、1時間5分のスピードゲームで格の違いを見せつけた。

 28安打27得点、12盗塁、残塁はわずか3つ。奄美・古仁屋・鶴翔の3校連合はシード鹿児島実の力をまざまざと見せつけられた。

 組み合わせ抽選会で対戦相手が鹿児島実と分かったとき、森瑠憧主将(2年)は「少しびっくりした」が「甲子園出場校とやれる」楽しみも感じたという。相手はこの夏の甲子園に出場した県内屈指の名門。こちらは海を隔てた学校同士の寄せ集め。一緒に練習したのは2日前、鹿児島入りした日に2時間ほど鶴翔のグラウンドで練習しただけ。勝利の見込みは限りなくゼロに等しかったが「それでも立ち向かっていくのがスポーツ」(遊畑玄樹監督)の心境で挑んだ。

 そんなチームが相手でも鹿児島実は一切手を抜かなかった。エースが先発し、ベストメンバーの布陣だった。「たまに凡打するとベンチから厳しい声がした」(森主将)ところも対戦してみて分かった強豪校の野球に取り組む姿だった。

 打ち込まれ、アウトにできる打球も処理できない。こちらの攻撃はあっという間に終わり、相手の攻撃は長く続く。彼我の力の差をまざまざと見せつけられたが「ここからが本当のこのチームの始まり」と遊畑監督は言う。

 打ちのめされ悔しい思いをしたことが「冬の厳しい練習を頑張ろう」(森主将)と思うモチベーションになる。人数は少なくても、合同チームを組んで、はるばるここまでやってきて、この試合を経験した意味は決して小さくない。

(取材=政 純一郎

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.05.06

【2024年夏 全国地方大会シード校一覧】現在27地区が決定!

2024.05.06

センバツV・健大高崎は夏も強い! Wエース抜きで県大会優勝、投打に新戦力が台頭中!

2024.05.06

【大阪】大阪桐蔭が快勝!準々決勝でプロ注目・今坂幸暉擁する大阪学院大高と対戦!<春季大会>

2024.05.06

【春季埼玉県大会】花咲徳栄4回に一挙10得点!20得点を奪った花咲徳栄が昌平を破り優勝!

2024.05.06

【富山】富山商が高岡商を破って春連覇達成<春季県大会>

2024.05.06

【2024年夏 全国地方大会シード校一覧】現在27地区が決定!

2024.05.01

春季大会で頭角を現した全国スーパー1年生一覧! 慶應をねじ伏せた横浜の本格派右腕、花巻東の4番、明徳義塾の正捕手ら入学1ヶ月の超逸材たち!

2024.05.01

【神奈川】関東大会の切符を得る2校は?向上は10年ぶり、武相は40年ぶりの出場狙う!横浜は6年ぶり、東海大相模は3年ぶりと意外にも遠ざかっていた春決勝へ!

2024.05.01

【兵庫】報徳学園、須磨翔風などが順当に夏の第1シード獲得!昨秋ベスト4の長田、滝川二はノーシードに

2024.05.01

【福島】聖光学院と福島商が県大会切符<春季県大会支部予選>

2024.04.21

【愛知】愛工大名電が東邦に敗れ、夏ノーシードに!シード校が決定<春季大会>

2024.04.22

【春季愛知県大会】中部大春日丘がビッグイニングで流れを引き寄せ、豊橋中央を退ける

2024.04.23

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?

2024.04.21

【兵庫】須磨翔風がコールドで8強入り<春季県大会>

2024.04.22

【鳥取】昨年秋と同じく、米子松蔭と鳥取城北が決勝へ<春季県大会>