山口 真和(熊本東シニア)

 2022年、日本人選手のシーズン最多を更新する56本塁打を記録し、さらにはセ・リーグ三冠王にも輝いたヤクルト・村上 宗隆内野手(九州学院出身)。2年連続のリーグ優勝に大きく貢献し、名実ともに日本球界を代表する打者になったが、中学時代の3年間でプレーしたのが熊本県美里町で活動する熊本東シニアだ。

 チームは今年で創設34年を迎え、全国大会には5度の出場実績を持つ強豪チームだが、3年生には村上に続くであろう名手が在籍している。

 山口 真和(まきと)内野手は、高い守備力とシュアな打撃を武器に、リトルシニア日本代表に選ばれた。代表チームで参加した全米選手権では、全4試合に8番・二塁手として出場し、打率.444を記録。日本代表の優勝に大きく貢献した。

「(代表に)選ばれた時は正直びっくりしました。チームメートは全員レベルが高く、全国レベルで自分がどれくらい通用するかわかりました。代表選手の中では体が小さい方だったので、まずはしっかり体を大きくして、技術面では今までやってきたことを継続してやっていきたいと思います」

 2年生の時から1番・遊撃手を任され、全国大会に出場するなど経験を積んだ。新チームでは主将を任され、打撃でも3番打者に座るなど、文字通り中心選手として活躍した。

 村上を中学時代に指導した吉本幸夫監督も、山口について高い評価を口にする。卓越した守備力もさることながら、手を抜かない人間性が一番の魅力だという。

「守備がすごく柔らかいですが、絶対に手を抜かない性格も長所です。体は大きくなくても(168センチ)地道に練習に取り組める選手で、守備も打撃も走塁も3年間でしっかりと成長したと思います。
 最近ではパワーもついてきたので、今までは実戦的なバッティングしかできなかった分、自信もついてきたんじゃないかなと思います」

 チームのOBである村上については「とても刺激になる」と憧れを口にするが、全くタイプの違う選手であることは理解している。持ち味である守備力、走力に加え、高校では打撃力も伸ばし、甲子園の舞台で活躍したいと意気込みを語る。

「1年生から試合に出て活躍したいです。昨年の夏の甲子園を見てとても刺激になったので、僕もあの舞台に立って活躍したいと思います」

 高校野球では、地元の熊本県から甲子園を目指すという。この先の成長も目が離せない。

(取材:栗崎 祐太朗)



山口 真和(熊本東シニア)


山口 真和(熊本東シニア)