琉球の怪物右腕が、兵庫県の名門・神戸国際大附へ進学する。軟式球で146キロ、硬式球では148キロをたたき出すなど、破格の成長を遂げてきたのが、沖縄市立美東中の津嘉山憲志郎投手(3年)だ。

 身長178センチ、体重100キロ、ボリューム満点の体格から火の出るような剛球を連発し、また打撃でも飛距離の出にくい軟式球で通算8本塁打。また巨漢でありながら足も速く、50メートル走は6.3秒を記録するなど、その肉体は筋肉の塊で「怪物」の名を欲しいままにしてきた。

 野球を始めたのは、小学校に入学する前からだ。兄の影響から物心ついた時にはすでに野球ボールが日常の中にあり、少年野球チームの美東ドラゴンズに入団。主に捕手として活躍し、中学では学校の野球部に所属することを決めた。

「硬式野球チームへ入ることも考えましたが、チームの雰囲気が良くて学校の野球部に入ることに決めました。軟式と硬式には、特にこだわりもありませんでした」

 1年夏に背番号20でベンチ入りを果たすと、2年時には1番・捕手でレギュラーを獲得。秋からは投手の練習も本格的に開始し、昨年6月の中頭地区中学校軟式野球競技⼤会では2回戦の西原中学戦で146キロを計測した。

 さらに11月には、中学野球を終えた中学3年生を対象に行われる「沖縄県ジュニア育成会」に参加し、ここでは硬式球でのゲームに9試合に出場。投げてはタピックスタジアム名護(名護市営球場)で148キロを計測し、打っては3本塁打と圧倒的な力を見せつけた。

「最初から飛ばさず、少しずつ硬式球に慣れていき、ここまで良い感触で投げることができています。今ではだいぶ慣れてきました」

 今春からは、いよいよ高校野球が始まるが、津嘉山はチームとしての日本一、そして個人としても日本一の投手を目標に掲げる。進路選択の際には、九州、沖縄のみならず、関西地区や関東地区からもスカウトが詰めかけたが、最終的には早くから声をかけていた神戸国際大附への進学を決めた。

 高校野球に向けて津嘉山は、「焦らずにトレーニングを積みたいです。ベスト体重は95キロなので、まずは体を絞りたい」と1歩ずつステップアップすることを誓う。琉球の怪物右腕のさらなる成長がとても楽しみだ。

(取材:栗崎 祐太朗)