今年の甲子園で攻守に躍動した神戸国際大附山里 宝(2年)。春は二塁手、夏は遊撃手として軽快な守備を見せ、打撃でも存在感を発揮した。さらにこの秋からはスイッチヒッターにも挑戦。身長173㎝、体重68㎏と決して体は大きくないが、身のこなしには確かな将来性を感じさせる。後編では夏甲子園から現在までを振り返る。


夏甲子園で残した悔い



山里 宝

 さらにセンバツ後には二塁手から遊撃手にコンバート。投げる距離が長くなったことで、より送球に磨きをかけて夏の大会に挑んだ。

「激戦区の兵庫を勝ち上がれたら、甲子園も勝ち上がれる」と意気込んだ兵庫大会では打率4割の活躍。5回戦から明石商東洋大姫路報徳学園関西学院と強敵との対戦が続いたが、いずれも勝利して春夏連続で甲子園出場を果たした。

 甲子園の初戦では再び北海との対戦となった。この試合で山里は3本の二塁打を放ち、木村を攻略。春から対策を続けてきた投手相手に結果を残したことで、「どんな左ピッチャーが来ても怖くない」と自信が持てるようになった。

 一方で悔いが残っている場面が準々決勝の近江戦で重盗を許した場面だ。走者一、三塁の場面から一塁走者が牽制で飛び出した際に一塁手からボールを受けた山里は一塁走者にタッチしようとした。しかし、上手くかわされた間に三塁走者がスタートを切っており、本塁に送球するも判定はセーフ。この場面で山里は長所だと思っていたはずの視野の広さとスローイングに課題を感じたという。

「まだまだ周りが見れていなくて、スローイングがどうしても大きくなってしまっていました。大きくすれば球は強くなるんですけど、ランナーをアウトにすることが送球だと思っているので、それからは小さく速くというのを課題にしています」

 その後、チームは9回表に4点差を追いついたが、その裏にサヨナラ負け。全国ベスト8で甲子園を去り、山里は最上級生になった。

新たな挑戦、スイッチヒッター



山里 宝

 新チームが始動してから山里に大きな変化があった。それはスイッチヒッターへの転向だ。中学1年生の頃にも挑戦したことがあったが、2年生になってから再び右打に専念していた。

 左打者が少ないチーム事情もあり、秋の兵庫大会初戦の3日前に青木 尚龍監督から「左で打てるんか?」と聞かれて、左打ちをやってみると、思いの外打てたため、大会でも左で打つことになった。「右ピッチャーは左バッターの方が見やすいので、全然いけると思います」と左打席にも自信を見せており、初戦でいきなり適時二塁打を放つなど、適応力の高さを見せつけている。

 高校生でスイッチヒッターは珍しく、将来的にも大きな武器になるだろう。これから左打席での精度を上げていけば、高校屈指の内野手になれる可能性も十分にある。これからの成長を楽しみにしたい。

 この秋は3季連続の甲子園出場を目指していたが、準々決勝で明石商に敗れて、それは叶わなかった。夏こそは激戦区の兵庫県を勝ち抜き、甲子園に戻ってみせると意気込んでいる。

「応援してくれる選手や父兄の皆さんに悔しい思いをさせてしまったなというのが一番大きいです。甲子園に出られるチャンスは夏しかないので。、それまで死ぬ気で練習して、絶対に夏は甲子園に出て、恩返しするプレーをします」

 将来は源田 壮亮(西武)のような日本を代表する内野手を目指している山里。その名の通り、球界の宝となっていけるだろうか。

(記事:馬場 遼)


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