甲子園の借りは最後の夏で

楠本 晴紀(神戸国際大付)
「もう一回、自分たちが春のセンバツに行って、日本一になるという気持ちで新チームはスタートしました」と決意を新たに3季連続の甲子園出場を目指した楠本。しかし、秋の兵庫大会では準々決勝で明石商に1対3で敗れ、近畿大会出場を逃すという結果になってしまった。
この試合で楠本は先発したが、1対1の同点で迎えた6回裏に自らのフィールディングミスで勝ち越し点を献上すると、続く打者に適時三塁打を浴び、6回途中3失点で降板。打線の援護にも恵まれず、そのまま敗戦となった。
「自分のせいで負けたと言っても過言ではないですし、詰めの甘さが出ました」と敗戦の責任を背負い込んだ楠本。その後はフィールディング練習にも熱心に取り組んでおり、「今まで以上に野球に丁寧に向き合っていると思う」と青木 尚龍監督も楠本の姿勢を高く評価している。「もう一度、足腰を鍛え直して、春の大会では絶対に優勝してやるという気持ちで毎日頑張っています」と、まずは春の兵庫大会で成長した姿を見せたいところだ。
楠本は140キロ超えの速球を投げる大型左腕ということもあり、来年の進路も注目されている。現時点で高卒でのプロ入りを目指すかはハッキリ決めていないが、「最終的にプロ入りできるように頑張ります。自分はやれることを精一杯やっていきたいです」と将来のプロ入りを目指して精進を続けている。それよりも前に目指すのはチームの全国制覇だ。
「自分の持ち味であるストレートをしっかり投げ切って、相手バッターをどんどん三振に取っていって、チームに流れを作っていくようなピッチャーになりたいです。最後の夏は『やっぱり神戸国際』というような夏にするので、もう一度この冬を頑張って、夏に向けて練習していきます」
最後の夏に向けてこのように決意を語ってくれた楠本。世代ナンバーワン投手を目指すエースの出来に神戸国際大附の運命はかかっている。
(記事:馬場 遼)