Interview

元プロを父に持つ中学通算本塁打20本以上の長距離砲 小野勝利(狭山西武ボーイズ)が狙うは高卒プロ入り

2020.04.20

 2020年はここまで中学野球の大会も大きく数を減らしているが、その中でも頭角を見せている中学3年生は何名か名前が挙がる。その一人が、狭山西武ボーイズの小野勝利選手だ。

 父親は元プロ野球選手で実業家の小野剛氏という話題性もさることながら、ここまで中学通算20本以上の本塁打を放っており実力面も申し分ない。
 中学野球屈指のスラッガーは、ここまでどんな道を歩んできたのか迫っていく。

元プロが揃うチームの環境で順調に成長

元プロを父に持つ中学通算本塁打20本以上の長距離砲 小野勝利(狭山西武ボーイズ)が狙うは高卒プロ入り | 高校野球ドットコム
小野勝利選手(狭山西武ボーイズ)※写真は2月中旬に撮影

 父親が元プロ野球選手で、3学年上の兄も野球をしていた環境から、小野選手が野球を始めるのは自然な成り行きだった。小学校に入学する以前から、兄が所属する泉ホワイトイーグルスの練習についていき、ユニホームを着て野球に慣れ親しんでいた。

 父である小野剛氏は、中学時代から身長が180センチを越え、140キロに迫る剛速球を投げ込んでいた「スーパー中学生」であった。
小野選手も、幼いころから身長は頭一つ抜けた存在だったと振り返り、泉ホワイトイーグルスでは打者としてだけでなく、投手としても活躍を見せた。

 中学校に入学すると、父が代表を務める狭山西武ボーイズに入団し、身長はすでに170センチに到達。上級生と比較しても見劣りしない体格だったが、それでも小野選手は入団当初は上級生とも大きな実力の差があり、レベルアップの必要性を感じたと振り返る。

 「入団してからは、競争意識を持ってやってきました。
 昨年は日本少年野球選手権大会にチームが出場して、自分はベンチに入れていただいたのですが、試合には出場できませんでした。でも、先輩たちのプレーを見て本当にいい刺激になりました」

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バッティング練習を行う小野勝利選手(狭山西武ボーイズ)※写真は2月中旬に撮影

 高いレベルを目指して練習を重ねてきた小野選手だが、「とても大きかった」と語るのが狭山西武ボーイズの環境だ。チームを指導するのは、巨人などで活躍した福井敬治監督をはじめ、元ロッテの田中良平コーチや元巨人の十川雄二コーチなどプロ野球を経験した指導者ばかり。

 トップレベルを知る指導者に教えを受けたことで、上達スピードも非常に速かったと小野は振り返る。

 「教えていただいたことが、すぐに(習得している)実感がありますし、自分だけではなくチームメイトもすごく良くなっているなと感じます。
 自分は打撃で左足が伸びている癖があり、目線がズレてミスショットが多くなった時期があったのですが、ロングティーで指導していただき、すぐに修正できて試合でも結果が出るようになりました」

[page_break:高校野球は甘くない世界とわかっている]

高校野球は甘くない世界とわかっている

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小野勝利選手(狭山西武ボーイズ)※写真は2月中旬に撮影

「元プロ」が揃う環境の中で、順調に成長を見せた小野選手。
新チームになり4番に定着すると本塁打の数も一気に増え始めたが、小野選手はボールを飛ばすコツについて、まずはバットとしっかりと振ることが大事であると語る。

 「まずはしっかり芯で捉えて、しっかりバットを振ることが大事だと思います。
 また練習では、ティーバッティングでは体が開かないような形を意識して、また逆方向に打つ練習もします」

 また昨秋から体重を絞ったことも、ここまではプラスに働いている。
 現在は178センチ・85キロの体格だが、昨秋までは体重は90キロあった。体重を絞ることで体にキレが増し、スイングに鋭さが出てきたことも本塁打増に繋がった。

 現在はボーイズリーグ全体が活動を中止しているが、夏にはまた思い切り試合ができることを信じている。
 小野選手は、残りの中学野球での意気込みを力強く語った。

元プロを父に持つ中学通算本塁打20本以上の長距離砲 小野勝利(狭山西武ボーイズ)が狙うは高卒プロ入り | 高校野球ドットコム
小野勝利選手(狭山西武ボーイズ)※写真は2月中旬に撮影

 「チームとしては、全国大会に出場して全国制覇できるようにやっていきます。
 個人としてもチャンスや大事な場面で一本打つことができるように、チームに貢献できるバッティングを目指していきます。最後は福井監督を胴上げできるように頑張りたいです」

 もちろん、中学卒業後の目標も明確に掲げている。高校野球では甲子園で活躍し、高卒でプロ入りを目指している小野選手。
 兄である小野将輝選手は現在、神奈川の名門・桐蔭学園で奮闘中で、高校野球の厳しさを直接聞くこともあるが、小野選手はその厳しさも乗り越えた上で、プロの世界に進みたいと力強く語った。

 「甘くない世界だということはわかっていますが、1年の夏からベンチに入って試合にもたくさん出て、最終的には甲子園やU-18日本代表に選ばれたいと思います。そして、そこから直接プロに行けるような選手になることが目標です」

 厳しい世界と知りながらも、あえて高い目標を掲げるところに強い覚悟を感じさせる。
 ここからどんな成長を辿るのか注目だ。

(取材=栗崎 祐太朗

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◆徳山選手のインタビューを読む⇒徳山壮磨(大阪桐蔭ー早稲田大学)「大阪桐蔭のエースへ。努力を継続した3年間」
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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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