思考力に秀でたベイスターズカップ優勝捕手 前嶋藍(オセアン横浜クラブ)
第7回DeNAベイスターズカップで、見事初優勝を果たしたオセアン横浜クラブ。戦った3試合はすべて1点差ゲームで、驚異的な粘り強さを見せての優勝だった。
そんなオセアン横浜クラブを、正捕手として牽引したのが前嶋藍だ。今回はベイスターズカップ1回戦の相模ボーイズとの試合後に、前嶋へインタビューを行った。
決勝タイムリーを放った相模ボーイズ戦の裏側や、オセアン横浜クラブへの入団の理由などについて迫っていく。
冷静な洞察力が生み出した決勝タイムリー
前嶋藍(オセアン横浜クラブ)
オセアン横浜クラブの前嶋は、打ってはつなぎ役の2番、守っては扇の要を務める正捕手として活躍する選手だ。
最大の特徴は、捕手としての能力である。スローイングの正確性やフットワークの軽さ、ピンチの場面での的確な間の取り方など、捕手として高い資質を持って選手である。
ベイスターズカップの1回戦では、相模ボーイズを相手に前嶋は決勝タイムリーを放つ活躍を見せたが、このタイムリーにも前嶋の捕手としての資質が現れていた。
「キャッチャーの声がインコースから聞こえました。なのでそこを狙っていきました」
どんな大舞台でも、冷静な判断力と洞察力を働かせていた証拠と言える。
また試合展開においても、前嶋はチームの特徴を考えながら冷静に試合を俯瞰していた。オセアン横浜クラブは序盤から劣勢を強いられていたが、意外にも前嶋は焦りは全くなかったと話す。
「自分達は後半に強いので、前半は楽な気持ちでいって後半が勝負だと思っていました。後半で決められて良かったと思います」
オセアン横浜クラブの終盤の逆転劇の裏に、前嶋の冷静な判断力があったことは間違いないだろう。
[page_break:捕手として選手を活かすことを考える]捕手として選手を活かすことを考える
1回戦の相模ボーイズ戦で決勝タイムリーを放つ前嶋藍(オセアン横浜クラブ)
そんな前嶋が、オセアン横浜クラブへ入団を決めるきっかけなったは、同チームの松山コーチからの勧誘を受けたことだ。元々、ベイスターズカップでの優勝を目標として前嶋は、オセアン横浜クラブの練習を見学に行き、想像以上のレベルの高さに驚き、それが入団への決め手になったと話す。
「正直自分が思った以上にレベルが高くてびっくりしました。ですが、勝負するにはここがいいと思ってこのチームに入ることを決めました」
オセアン横浜クラブに入団した前嶋は、順調に成長していき、今では正捕手を任せるまでになった。
入団してから、最も成長したところとして前嶋が挙げたのが「選手の良いところを引き出すこと」だ。チームメイトの特徴を考えながら、捕手としての声掛けや指示出しによって、その選手の良いところを引き出していくこと前嶋は意識していると話す。
「(チームには)色々な上手い選手がいます。その選手の良いところを引き出していけるようにやっています」
入団前に、目標に掲げていたベイスターズカップの優勝を見事達成した前嶋。最終学年となるシーズンの活躍にも注目だ。
文=栗崎 祐太朗