第1030回 岸 潤一郎(明徳義塾出身)高校野球は「必死にやる楽しみを味わえる3年間」2019年08月20日

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【目次】
[1]「先輩についていった」1年夏「思い入れのあった」2年夏/「甲子園最終打席ホームラン」とその後、そして今
[2]「甲子園」は「自分の強み」にもなる

 「甲子園の申し子」。この言葉はこの男のためにあるのかもしれない。岸 潤一郎(きし・じゅんいちろう)兵庫県尼崎市出身。西淀ボーイズ(大阪)から明徳義塾(高知)の門を叩くと1年夏(2012年・ベスト4)・2年夏(2013年・ベスト8)・3年春夏(2014年・春ベスト8)の計4度甲子園出場を果たし、エースとして6勝。さらに主将も務めた甲子園最終打席でホームランを放ったシーンは当時の「熱闘甲子園」テーマソング「オモイダマ」(関ジャニ∞)と共に記憶されていることも多いだろう。

 そんな岸は今、四国アイランドリーグplus・徳島インディゴソックスの外野手もできる「1番・遊撃手」としてNPB入りの入り口に立つ。では彼にとって「甲子園」とはいったいどんなものだったのか?22歳の彼が改めて当時の「夏」を振り返る。

「先輩についていった」1年夏「思い入れのあった」2年夏



岸潤一郎

 1年夏の甲子園、緊張はしませんでした。ライトを守っている時以外は(笑)。実は(馬淵 史郎)監督に「新チームから外野もやるぞ」と言われていたんですが、甲子園の時までは練習もしていなかったんです。

 しかも高知大会で僕は熱中症にかかって試合もほとんど出られていなかったし、先輩たちが頑張ってくれたお陰で出ることができた。ベスト4にまではいけましたけど、先輩たちについていっただけで勝手に結果がついてきた。長いようで短く終わった大会でした。

 2年夏は個人的には一番思い入れがあった大会でした。1年秋は高知大会の準々決勝で負けて(vs高知南)、春も四国大会に出られず。サイドスローにも一時転向しましたし、明徳義塾人生の中では底辺の時期だったんです。だから高知大会前は「本当に勝てるのか」と不安だったんです。そこから結果、甲子園出場して大阪桐蔭にも勝って、ベスト8まで行けた。「下から這い上がった」という感じでした。

 準々決勝・日大山形戦は当時は感じませんでしたが、実際には疲労があったんだと思います。練習試合から投げて「自分がエースだ」という意識は常にあったんで。

「甲子園最終打席ホームラン」とその後、そして今



明徳義塾時代の岸潤一郎

 3年夏はもちろん甲子園での結果(2回戦で大阪桐蔭の前に敗退)に満足はしていませんが、高知大会では一番自信を持って投げることができました。

 大阪桐蔭戦、序盤に5失点したのが痛かったですね。ただ、馬淵監督に「あと1点取られたら(侍ジャパンU-18代表の)候補にも入れないぞ!」と喝を入れられてからは自分のピッチングができたことを覚えています。最初からそれができればよかったんですが……。

 あの時は「峯本 匠(立教大~JFE東日本)に打たれるのは仕方がない」と思っていたんですが、香月 一也(千葉ロッテマリーンズ)のホームランと正髄 優弥(亜細亜大~広島東洋カープ)に打たれたのが誤算でした。今になればこの2人はNPBにいるんですけどね。

 甲子園最終打席はホームランは狙っていなかったですが、意外と冷静に打席に入れました。実は夏前に大阪桐蔭と練習試合をした時、福島 孝輔(同志社大~Honda鈴鹿)はずっとスライダーから入ってきて、最終回にストレートから入ってきてセンターオーバーを打った経験を覚えていたんですよ。

 「じゃあ、この最終回もストレートから入ってくるかな」と思った上で「とりあえず三振だけはしたくない。三振してテレビに取り上げられるのは嫌だな。いい形で終わりたいな」という感じで(笑)、ストレートだけ張って振ったら芯に当たって自分でも驚いたというホームランでした。

 高校ではいろいろなメディアさんにも取り上げて頂いて当時はメチャクチャ嬉しかったですし、当時は天狗になっていた部分も正直ありました。

 それに気付かされたのは(拓殖)大学で思うようなプレーができなくなった時。メディアさんだけでなく周囲のみんなが期待していることを知って、プレッシャーになって辛くなった時期もあったんです。

 そんなことを経て今、まず思うのは「甲子園に4回出たのは本当に自分なのかな」ということですね。現在は投手もしていないのでたまに映像を見ても「ああ、俺、投手やってたんや」と。自分じゃない感じです。

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プロフィール

首藤桃奈
岸 純一郎
  • 徳島インディゴソックス
  • ポジション:遊撃手
  • タイプ:右投右打
  • 身長体重:174センチ77キロ
  •  
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