第1014回 驚異的な球速アップの要因は「右手の小指」。たどり着いた剛速球右腕への道 池田陽佑(智辯和歌山)【後編】2019年07月16日

印刷する このエントリーをはてなブックマークに追加   

【池田陽佑のギャラリーもチェック!】

【目次】
[1]投手人生の危機を乗り越えた高1の夏
[2]センバツ大会後の劇的スピードアップの要因とは?

 下級生時から智辯和歌山投手陣の一角としてチームの躍進に貢献してきた池田 陽佑。2年秋よりエースナンバーを背負い、今春のセンバツ大会では2試合、13回を投げ、自責点はわずか1。啓新との2回戦では降雨による1時間50分の中断に集中力を切らすことなく121球を投げ切り、高校初の完投勝利をマーク。8強入りの原動力となった。センバツ後は質のいいストレートにさらに磨きがかかり、いまだ成長途上の真っただ中。

 後編では、野球人生で直面した苦難やセンバツ後の球速アップについて。そして最後は、夏にかける思いを語ってもらった。

センバツ2試合で自責点1の好投!存在感増す池田陽佑(智辯和歌山)の歩みを振り返る【前編】

投手人生の危機を乗り越えた高1の夏



春季和歌山県大会での池田陽佑(智辯和歌山)

 「ストライクが入らなくなってしまったんです…」

 1年春の和歌山大会でいきなりのベンチ入りを果たした池田。順調な高校野球生活のスタートを切ったかに思われたが、突如、深刻な制球難に陥ってしまい、目標にしていた夏の大会のベンチ入りは成らなかった。

 「投球フォームの乱れが発端だったとは思うのですが、ストライクが入らなくなったことで、どうしていいかわからなくなり、精神的にも余裕が全くなくなってしまって…。悪い結果が次の悪い結果を呼んでしまう悪循環に陥ってしまい、入学時に138キロをマークしたスピードもどんどん落ちて行って。もう、途方に暮れてしまいました」

 当時、コーチを務めていた中谷仁現監督に相談したところ、「バッピ(バッティングピッチャー)をやれ。6割くらいの力でいいから打撃練習でどんどん投げて、ストライクをとる感覚を体で思い出せ」というアドバイスを授かった。



池田陽佑(智辯和歌山)

「高1の夏の間、毎日のように200、300球を投げてました。最初はストライクが入らず、バッターの方には迷惑をかけっぱなしで、精神的にも苦しかったですが、体力的にきつい状況で投げ続けるうち、だんだんとストライクがとれるフォームに体が導いてくれる感覚になっていって。夏の終わりごろに力を入れて投げてみたら、きっちりストライクがとれるようになり、球速も138キロあたりまで戻って。あのままの状態で高校野球生活が現在まで続いていたらと思うとぞっとします。中谷監督には感謝してもしきれません」

 2年時には投手陣の一角として春、夏連続甲子園出場に貢献。2年秋よりエースナンバーを背負い、今春のセンバツ大会では2試合、13イニングを投げ、自責点はわずか1。奪三振は4にとどまったが、投球の安定感は申し分なく、ベスト8進出の原動力となった。

「中学まではプレートの三塁側を踏んで投げていたのですが、高校に入り、コントロールに苦しんだ時期に『アウトコースに投げやすくなるから』と中谷先生の助言を受け、プレートの踏む位置を一塁側に変更したんです。以来、2年秋まではずっと一塁側を踏んでいたのですが、アウトローをつく技術が上がったので、今年のセンバツから三塁側に戻したんです。同じアウトローでも横の角度を使える分、打たれにくくなった感覚があります」

【次のページ】 センバツ大会後の劇的スピードアップの要因とは?

この記事についてTwitterでつぶやく この記事についてFacebbokに投稿する

プロフィール

池田 陽佑(智辯和歌山)
池田 陽佑(いけだ・ようすけ)
  • 京都府宇治市出身
  • 京都ブラックス-智辯和歌山
  • ポジション:投手
  • タイプ:右投右打
  • 身長体重:183センチ84キロ
  •  
【関連記事】
第1030回 センバツ選考も難航か 2020年もハイレベルだった近畿地区の2021を占う【大会展望・総括コラム】
第1033回 「ゴツく見える」現役球児が憧れるユニフォーム1位に輝いたのは?【球児に聞き隊!】【野球総合研究所】
第1023回 甲子園がなくてもハイレベルで激戦だった2020年の近畿地区【近畿・総括】【大会展望・総括コラム】
第162回 交流試合の躍進に馬淵監督が語った「生き方」 四国地区高校野球・2020年の3大ニュース【高校野球コラム】
第157回 2018年U-15代表の現在地。野手陣もそれぞれ強豪チームの中心選手に成長【高校野球コラム】
第1283回 真の4番打者へ。元プロの指揮官が分析するスラッガー・徳丸天晴(智辯和歌山)の課題 【2020年インタビュー】
第1272回 目指すは甲子園で勝つこと。智辯学園エース左腕・西村王雅の武器は巧みな駆け引き 【2020年インタビュー】
第1224回 持ち味は高校生レベルを超えたスピード感あふれるプレー 巧打者・細川凌平(智辯和歌山)が掲げるビジョン 【2020年インタビュー】
第1223回 世代トップクラスの剛腕・小林樹斗(智辯和歌山)は昨夏の米子東戦以上のインパクトのある投球を見せることができるか 【2020年インタビュー】
第1140回 1年から名門・智辯和歌山の4番に座る徳丸天晴。目指すは高校通算50本塁打 【2020年インタビュー】
池田 陽佑(智辯和歌山) 【選手名鑑】
啓新 【高校別データ】
智辯学園 【高校別データ】
智辯和歌山 【高校別データ】
インタビュートップに戻る サイトトップに戻る

インタビュー