第750回 日本必殺の左のスペシャリストへ!板川佳矢(横浜)が期待できる理由2018年08月29日

印刷する このエントリーをはてなブックマークに追加   

 9月3日から開幕する第12回 BFA U18アジア選手権。2大会連続のアジア制覇に燃える侍ジャパンU18代表の選手たちをピックアップしてインタビューしていく。今回は板川 佳矢横浜)。左スリークォーターから140キロ前半のストレート、キレの良い変化球を投げ分け、安定感抜群のピッチングをみせ、クイック、けん制技術、フィールディングも巧みで、まさに左投手のお手本というべき投手だ。そんな板川は侍ジャパンU18代表の欠かせない左のスペシャリストとなっている。

ワクワク感が好調の秘訣


板川 佳矢

 近年の日本代表には左の中継ぎのスペシャリストがいる。2016年は堀 瑞輝広島新庄-日本ハム)、2017年は田浦 文丸秀岳館-福岡ソフトバンク)だが、今年はその座に名乗り出そうなのが、板川 佳矢横浜)だ。「そうなったら嬉しい」と語る板川はその役を担うのに相応しい活躍を見せている。

 板川の真骨頂を発揮したのが28日の大学代表との一戦だった。5回裏、板川は一死一塁の場面で登板した。走者を背負った場面からの登板となったが、焦りはなかった。
「渡邉(浦和学院)の2イニング目で走者を出した状況で登板するかもしれないと伝えられていましたので、そのつもりで準備していましたし、集中力は高まっていました」

 結果、岩城 駿也(九州産業大)を捕邪飛、渡辺 佳明(明治大)をスライダーで空振り三振に打ち取った。そして、6回裏、一死一、二塁から2番・佐藤 都志也(東洋大)に対して、代表入りしてから解禁した131キロのスプリットで空振り三振、3番・辰巳 涼介を左飛に打ち取り、ピンチを切り抜けた。板川はピッチングを振り返って、「自分は走者を置いた場面が強いと思っているし、監督さんにもそういう場面を抑えてくれることを期待して起用してくれたと思うので、期待に応えられてよかったです」と笑顔を見せた。

 抑えていたとはいえ、大学生のレベルの高さは実感していた。
「ボール球は全く振らないですし、甘く入ったら打たれる怖さがありました。だから僕が投げられる球種は全部投げました」
 その中で印象的な対決として挙げたのが明大の先輩・渡辺(渡辺元横浜高校監督の孫)との対戦だ。

「渡辺さんがストレートを投げてこい!みたいな意思表示をしていたんですけど、僕も打たれたくないので、最初スライダーを投げたら、渡辺さんがこっちを見ていて笑っていたんです(笑)でも打たれたくないので、スライダーを投げました」

 結果として先輩を空振り三振に打ち取った。また、この大会からスプリットを投げている理由も明かしてくれた。
「僕はスライダー、チェンジアップが基本線だったのですが、今回使う大会球はチェンジアップがなじまないんです。だから浅めに挟んで投げています。まだ使い始めたばかりですけど良い感じだと思います」
 少し試しただけでも武器にする器用さが素晴らしい。また結果を残したいのは理由がある。
「甲子園の時は調子が悪くて、自分のピッチングができませんでした。調子が悪い中でも僕を選んでくれた方、監督さんのためにも結果を残したいんです」

 確かに甲子園のストレートは常時135キロ前後と確かに悪かった。板川は技巧派として見られているが、ストレートの走りも良い。ストレートの調子が良かった5月の関東大会、6月の招待試合・常総学院戦では先発ながら140キロを連発していた。代表入りしてからの板川はまさにその状態を取り戻しつつある。その理由として横浜高校のチームメイトのキャッチボールを挙げてくれた。
「そいつとキャッチボールをしながら、フォームの悪いところを修正しました。それが良かったかもしれませんが、ここまで調子が上がるのは自分でも驚いています」

 また、JAPANのユニフォームを背負うワクワク感も好調の秘訣だ。
「横浜の時はとにかく勝たないといけない。その重圧が半端ではなかったです。今では楽しく投げることができています」

 板川は藤平 尚真(現・楽天)、増田 珠(現・福岡ソフトバンク)に続いて、3年連続の横浜高校からの選出となったが、「僕は藤平さん、増田さんという素晴らしい先輩方には劣りますので、できる限りでやっていきたい」と謙虚な語り口だったが、侍ジャパン大学代表戦での好投を見ると、左殺しのスペシャリストとして、先輩以上の活躍を見せてくれるかもしれない。

 本大会に入って窮地を救う好リリーフを見せ、2大会連続のアジア制覇の立役者となる。

取材=河嶋 宗一

U18代表特設サイト!試合や合宿情報など掲載中!

この記事についてTwitterでつぶやく この記事についてFacebbokに投稿する

プロフィール

板川 佳矢
板川佳矢(いたがわ よしや)
  • ポジション:投手
  • 身長:173センチ70キロ
  • タイプ:左投左打
  • 横浜
【関連記事】
第50回 横浜高校野球部に見た「野球の未来像」=「強く、正しく、カッコいい」【四国発】
第203回 【BIG5特集】及川雅貴(横浜)「復活・覚醒をかけたモデルチェンジ」【ドラフト特集コラム】
第918回 横浜、東海大相模を阻む学校は現れるか?ノーシードの実力校も分析!【後編】【大会展望・総括コラム】
第27回 平成の甲子園を沸かせたスター選手!吉村卓也的ベスト5!【投手編】【俳優・吉村卓也連載コラム!スターを見つけ出せ!】
第79回 令和がスタート。令和元年の怪物候補8名をピックアップ!【高校野球コラム】
第917回 村田賢一(春日部共栄) 大活躍の源は『鋭い観察力』と『強敵と戦うワクワク感』【後編】 【2019年インタビュー】
第882回 目指すは「取手の山岡泰輔」 リベンジ実現し、5年ぶりの甲子園へ 中山航(藤代)【後編】 【2019年インタビュー】
第882回 闘争心をストロングポイントにライバルに立ち向かう! 藤代エース・中山航!【前編】 【2019年インタビュー】
第894回 名伯楽の指導によって覚醒した野村健太(山梨学院)目指すは高校通算50本塁打!【後編】 【2019年インタビュー】
第890回 ノルマは1日500スイング!打撃向上の礎となったのは毎日の継続力 瀬尾秀太(山口東リトルシニア) 【2019年インタビュー】
日本vs中国【2018年 第12回 BFA U18アジア選手権】
日本vs韓国【2018年 第12回 BFA U18アジア選手権】
侍ジャパンU18代表vs明治大学【2018年 第12回 BFA U18アジア選手権】
侍ジャパンU18代表vs侍ジャパン大学代表【2018年 第12回 BFA U18アジア選手権】
侍ジャパンU18代表vs立教大【2018年 第12回 BFA U18アジア選手権】
板川 佳矢(横浜) 【選手名鑑】
相模向陽館・横浜旭陵 【高校別データ】
横浜商 【高校別データ】
横浜清陵 【高校別データ】
横浜 【高校別データ】
横浜商大高 【高校別データ】
横浜一商 【高校別データ】
インタビュートップに戻る サイトトップに戻る

インタビュー