目次

[1]1本の本塁打をきっかけに取り組みがガラッと変わった
[2]力任せにならず、遠くへ飛ばせる打撃技術の高さ
[3]最終学年で活躍するには「心の成長」がカギ

 昨秋、ベスト4に勝ち進んだ常磐大高。今年は悲願の甲子園出場がかかっている。その常磐大高を引っ張るのがワラス 開智選手だ。現在、開催されている茨城県大会で2試合連続本塁打を放ち、高校通算31本塁打まで積み上げている。

 実は高校入学当初、小柄な二塁手でさく越えも打ったことがない選手だったワラス。なぜそんな選手が茨城県屈指のスラッガーへ成長したのか。覚醒のきっかけに迫る。

1本の本塁打をきっかけに取り組みがガラッと変わった

インタビューに応えるワラス開智選手(常磐大高)

 デトロイト・タイガースの3Aでプレーした経験を持つアメリカ人のマークさんを父に持つワラス。小学校4年生の時に野球を始め、中学では、水戸シニアでプレー。現在、常磐大高の主将である益子 佳大などと同期だが、中学時代は決して目立つ選手ではなく、現在の持ち味である本塁打も打ったことがない。率いる海老澤監督が入学当時のことを振り返る。

「当時は体が小さくて、今も身長は170センチほどとそれほど高くないですけど、パワーが全然違いました。二塁を守っていて、内野の間を抜くゴロを打つ選手だったと記憶しています」

 1年生の時は公式戦での出場がなく、それほど目立つ選手ではなかった。

 それでもレギュラー獲得に向け、日々のトレーニングに打ち込んだ。授業や練習の合間に補食を摂り、トレーニングではウエイトトレーニングと学校内のプールで水泳トレーニングを行い、パワーを身に付けた。打撃練習では木製バットでロングティーを黙々と行った。

 常盤大高の1年間を経て、入学から体重が9キロも増加。同時に長打力を身に付けていた。

 2年春、ワラスはある練習試合で本塁打を打った。取り組む姿勢が変わったのはそこからである。

「今までから一生懸命やってきましたけど、そこから打撃については技術的なことや、内容について貪欲にこだわるようになり、打撃に取り組む姿勢に真剣味が増しました」とワラスの成長に目を細める海老澤監督。

 2年生から公式戦の試合出場も増え、2年夏には5番サードで出場。初戦(2回戦)のつくば秀英戦では、プロ入りした長井 良太から5打数2安打を記録した。しかし、4回戦と準々決勝の2試合では無安打に終わり、計15打数4安打と満足いくパフォーマンスができなかった。

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