<令和7年度 春季近畿地区高等学校野球大会:智弁和歌山7-3天理>◇24日◇1回戦◇佐藤薬品スタジアム
センバツ準優勝の智弁和歌山(和歌山)が同じくセンバツ出場校の天理(奈良1位)に快勝した。智弁和歌山は公式戦登板がセンバツの決勝以来となったエースの渡邉 颯人投手(3年)が先発。6回を投げて、6安打1四球2奪三振で1失点と好投した。
センバツでは全試合で先発した渡邉だが、春の県大会では登板なし。「夏にはもうワンランク、ツーランク上げていきたいという本人と僕らの目論見があるので、どっかで思い切って、試合に使わないでトレーニングをする期間を1か月くらい作ろうと思いました。それならセンバツが終わってすぐだと思ったんです」(中谷 仁監督)と4月から5月にかけての期間を体力強化に充てた。
「全身のウエイトトレーニングをやりました。筋肉量が増えて、体重も2㎏増えました」と話す渡邉。実戦からは遠ざかっていたが、センバツの時よりもフィジカル面を強化して今大会に臨んだ。
1回表は1番・冨田 祥太郎内野手(3年)にいきなり二塁打を打たれるも後続を断ち切って無失点スタート。2回以外は得点圏に走者を背負うマウンドとなったが、「ランナーがいるところといないところでギアをしっかり使い分けて投げられたのは良かったです」とピンチになると明らかにギアを上げ、6回の1失点のみに留めた。
「久しぶりの登板だったんですけど、先制点を与えないところは流石ですね。いきなりは点を取られるなと思っていたので。その辺が安定した戦い方ができる大きな要因なんだろうなと思います」と渡邉の投球を評価した中谷監督。実戦から離れていた中でもしっかりと結果を残せるのがエースたる所以だ。
智弁和歌山でもう一つトピックを挙げるとすれば、8回表から奥 雄大内野手(3年)が初めて遊撃手で出場したことだろう。奥は元々投手兼外野手だったが、センバツでは三塁手で出場。全てにおいて能力が高く、将来性豊かな選手だ。中谷監督は遊撃手で使った理由をこう明かしてくれた。
「サードができるなら、ショートもできるかなと。とんでもない才能を持っているんです。毎日見ていれば見ているほど、肩は強い、脚は速い、背は高いし(188㎝)、顔も良い。何かきっかけを掴んでくれたら、とんでもないプレーヤーになると思うので、きっかけ探しをしているんです」
プロで15年プレーした中谷監督をそう言わしめるほどの才能を持つ奥。最初の打球で捕球ミスをして、その後の2失点に繋げてしまったが、まだ遊撃手としてのキャリアは始まったばかり。モノになれば、球界を代表するような選手になれるかもしれない。
様々なチャレンジをしながら勝ち進んでいる智弁和歌山。次戦の戦いも楽しみだ。
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