<第67回鹿児島県選抜高校野球大会:鹿児島城西6-3徳之島>◇19日◇1回戦◇鴨池市民球場

 昨秋はれいめい、今春は樟南、強豪私学にコールド負けだった徳之島。今大会では、同じく強豪私学の鹿児島城西を相手に、9回まで渡り合うことはできた。

 初回、4四球押出しで先制され、裏の攻撃も簡単に二死。3番・嶋田 雄心(2年)が初安打で粘って4番・白坂 心之丞主将(3年)が打席に立つ。

 流れが悪かっただけに「何とかつなげていくしかないと必死だった」と1ボール1ストライクからの内角高めを強振。「こすった感じだったのでレフトに捕られるか」と思ったが、左翼席に飛び込む逆転2ランとなった。

 3回まではリードできた。3回裏、一死から1番・竹下 遼(2年)が三塁打を放ち、一気に勢いづくが、スクイズ失敗で好機を逸す。4回表は無死満塁から併殺を狙ったプレーが悪送球となり、畳みかけられ4失点で逆転された。5回以降は守備で踏ん張れたが、攻撃につなげることができなかった。

  「秋、春に比べれば成長しているのは間違いない」(地頭所 眞人監督)が「夏に成り上がっていくためには、まだまだやることだらけです」と白坂主将。惜敗だったとはいえ、まだまだやらなくていい無駄な失点が多い。攻撃でも、力強さ、うまさを備えた選手がもっともっと出てこなければ、強豪私学と「良い勝負」はできても「勝ち切る」ことはできない。

 試合後、選手たちの表情から「まだまだやれる。勝ち切れたはずだという悔しさ」を地頭所監督は読み取った。残り約1カ月半。決して楽な挑戦ではないが「楽しみしかないですよ」と白坂主将は力強く言い切った。