勝負は夏。夏が終わっても貪欲にレベルアップしたい

モレチの将来性を評価してグラウンドで練習を視察する球団も増え始め、秋までは4球団だったが、8球団に増えた。さらにあるMLB球団も視察するほどになった。

矢幡監督は「この8球団の中には、熱心に足を運ぶ球団さんもありますし、まだ爆発的な球速アップとまではいきませんが、変化球の成長が著しく、ある球団からは『カットボールの精度の高さはプロの世界でも通用する』という評価をいただきました。小さな歩みですが、マウンドに立つモレチの姿は以前よりも自信を持っているように感じます」と成長に目を細める。

 ちなみに外国人の両親のもとに生まれたモレチは英語も堪能で、海外でプレーすることも選択肢の1つとしてあるという。

モレチは夏での活躍、そしてプロ入りへ向けて貪欲にレベルアップすることを語った。

「目指すのは常時140キロ中盤の速球をしっかりとコントロールできて、力を入れれば150キロを投げられるレベルまでにしたい。甲子園を狙いたいです」


インタビューに答えるモレチ

 また近年の高校生投手は夏の大会後の成長も指名でのポイントとなっている。モレチは夏の大会が終わってからも貪欲にレベルアップを目指す。

「夏の大会が終わっても休まずに練習に取り組みたい。自分の2学年上に独立リーグの石川ミリオンスターズでプレーしている黒野 颯太さんがいますが、黒野さんは夏が終わってからも貪欲に練習に取り組んで、さらにレベルアップした姿を目の当たりにしました。独立リーグでも活躍し、ドラフト候補にあがっていますが、自分もそこは見習いたい」

 将来性抜群なモレチはこの春の大会、そして夏の大会で素質を開花させることができるか。

<モレチ・アレシャンドレ>

右投げ右打ち 194センチ90キロ

小牧市出身。小学校4年生から野球を始め、小牧市の少年野球チーム・マシンガンズでプレーし、中学校では名古屋富士ボーイズでプレーし、主に外野手だった。小牧市の誉から誕生したドラ1選手・イヒネ イツアに憧れ、同校に入学。B戦では投げていたが、2年秋から公式戦で登板。3年夏をピークに持っていくことをテーマに練習に取り組んでいる。