トーナメント表
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ベスト8以上の組み合わせ

競り負けた山梨学院 好投手・越井に初球攻撃実らず、流れ渡す



<第94回選抜高校野球:木更津総合2-1山梨学院(延長13回サヨナラ)>◇21日◇1回戦◇甲子園

「思うようにいかず、どこかで力負けした感じがあって、いろ色んな思いがありました」

 延長13回タイブレークに及ぶ関東勢対決は、サヨナラ押し出し四球で決着となった。試合後、山梨学院の吉田洸二監督は、選手たちの踏ん張りを称える一方で悔しさをかみ締めた。

 山梨学院のエース・榎谷 礼央投手(3年)は、序盤は痛打される場面もあり初回に1点を先制されたが、尻上がりに調子を上げていき初回以降は無失点投球を続けた。だが、その一方で打線は木更津総合(千葉)のエース・越井 颯一郎投手(3年)の投球に苦しみ、9回まで散発の6安打。何とか同点に食らいついたが、力で押されている印象は否めなかった。

 延長に入っても、積極的な初球攻撃が裏目となり、淡白な印象を与えて相手チームに流れを引き渡すことになった。

「相手投手の攻略については球の見極めが基本で、セットになると球速が落ちるなと思っていました。なので、まずはセットに持ち込もうと選手には話していましたが、なかなか攻め切れませんでしたね。延長に入ってようやく球威が落ちてきたので、追い込まれる前に打っていこうと言いましたが、だんだん早打ちに見えてしまう展開になりました」

 試合は延長13回のタイブレークにまでもつれたが、山梨学院は無死一、二塁から始まる攻撃を活かせず無得点。その裏には、中堅手が内野まで前進して、右翼をがら空きにする「内野5人シフト」を敷く策も取ったが、1死満塁からエース・榎谷 礼央投手(3年)が押し出し四球を与え、サヨナラ負けで1回戦敗退となった。

「1点とられたら負けなので、バントを防ぎたかった。インコースに投げれば、ライトに飛ぶリスクも減ります。今日に関しては打線が打てませんでした。私の作戦が選手に無理をさせてしまったかもしれない。榎谷は前半は合わせられていたが、後半は奥行きを使ってタイミングを外せていた。良く投げてくれたと思います」

 この負けを夏にどのように活かすのか注目だ。

(記事:栗崎 祐太朗)