大学時代の大勢、水上 由伸

セリーグは若手有望株が多かった新人王争い

 セ・リーグは巨人の大勢(翁田 大勢)投手(西脇工出身)が獲得したが、阪神の湯浅 京己投手(聖光学院出身)や、中日の髙橋 宏斗投手(中京大中京出身)も候補に挙がり、どの投手も例年であれば、新人王を獲得できた成績だった。さらに、この3投手は来年のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に選ばれても不思議ではない実力を持っている。

下記が3投手の成績である。

大勢
57試合 1勝3敗37S 8H 9HP 防御率2.05

湯浅 京己
59試合 2勝3敗 43H 45HP 防御率1.09

髙橋 宏斗
19試合 6勝7敗 116.2回 防御率2.47

 今シーズンのセ・リーグの新人王を獲得した巨人の大勢は、ルーキーながらもピンチの場面で物怖じしないピッチングとマウンドさばきはさすがだった。ルーキーとは思えない成績を残し、申し分のないパフォーマンスを見せた。受賞の際は、「最後の最後で新人最多セーブに並べたことは良かったですが、防御率(2.05)など数字には納得がいっていません。ただ、毎試合毎試合、自分のベストを尽くして、チームのために投げることが新人王につながればと思っていました」とコメント。まだまだ伸び代もあるため、来年以降にも期待していきたい。

 湯浅は今シーズン、156キロの直球と140キロを超えるスプリットを武器に、最優秀中継ぎ投手を獲得。史上初の独立リーグ出身の投手タイトル受賞者となった。「本当に去年までリハビリが長くて1年間、1軍でやれてタイトルが獲れたってことは、本当に自分のなかで自信にもなりますし、初勝利とかいろいろ、CS(クライマックスシリーズ)のマウンドに上がれたところとか自分自身、充実した1年だった」とコメント。来年はクローザーとしての期待もあるが、WBCでもプレッシャーがかかる場面でのピッチングに期待していきたい。

 髙橋はオープン戦から好成績を残して開幕1軍を果たす。勝ち星にはなかなか恵まれなかったものの、高い奪三振率(10.34)を記録。さらに規定投球回数こそ未到達ながらも、134奪三振を記録して、セリーグ3位の奪三振数の成績を残した。プロ入り後はさらなる成長を遂げて、最速158キロを記録。さらに、高校時代から投げていたスラッター、スプリットを駆使して、プロの世界でも打者を圧倒した。来年以降は、中日はもちろんのこと、日本のエースとしても期待していいだろう。

今シーズンはパリーグも3投手が争うことに

 パ・リーグも3投手が新人王争いをし、西武の水上 由伸投手(帝京三)が獲得した。その他、オリックス・阿部 翔太投手(酒田南出身)やソフトバンクの大関 友久投手(土浦湖北出身)も上位に入った。

下記が3投手の成績である。

水上 由伸
60試合 4勝4敗1S 31H 35HP 防御率1.77

阿部 翔太
44試合 1勝0敗 22H 23HP 防御率0.61

大関 友久
21試合 7勝6敗 101.1回 防御率2.93

 新人王を獲得した水上は、前年の2021年シーズンで17試合無失点を記録。最終的には、1軍で29試合に登板し、0勝1敗4H、防御率2.33を記録して、今年の活躍も期待されていた。今シーズンに関しては、開幕から結果を残した。ただ、シーズン終盤は打ち込まれることもあった。その状況でも、最優秀中継ぎ投手を獲得。さらに、新人王も獲得。育成出身の受賞はパ・リーグ史上初となった。

 阿部は開幕から安定したピッチングを見せ、オリックスの2連覇に大きく貢献した。防御率を見ても、0.61と驚異的な記録を残しており、唯一の失点は7月の3失点のみである。シーズンをトータルで見ても、安定感があり、ポストシーズンでは抑えを任せられることもあった。来年も強力なブルペン陣の1人として期待できるのではないだろうか。

 ソフトバンクの大関は今シーズン、開幕ローテーションに滑り込み、5月、6月は月間で防御率1点台(5月1.99、6月1.29)を記録。オールスターゲームにも出場した。しかし、左精巣に見つかった腫瘍の摘出手術のため離脱。その後、9月に1軍に復帰した。

 昨シーズンも、セ・パともにハイレベルな新人王争いだったが、今シーズンもハイレベルな争いだった。獲得した投手の傾向を見ると、新人王に関しては先発が最優先で見られており、次点でクローザー、その次にセットアッパーではないだろうか。

 来年は日本シリーズで活躍したオリックスの宇田川 優希投手(八潮南出身)が、新人王の資格があるため、大方の予想通り受賞できるか注目だ。

(記事=ゴジキ)