21年の高校野球を盛り上げたベストナインを発表！

　2021年は、2年ぶりにセンバツ、夏の甲子園と高校野球の二大大会が開催された年となった。甲子園が開催されたことでスターが誕生した。高校野球ファンの誰もが夢中になるスターや、試合が実現した。今回は21年度のベストナインを紹介したい。

＊1校2人まで

投手　小園健太（市立和歌山）
捕手　中川勇斗（京都国際）
一塁手　金子京介（盛岡大付）
二塁手　小澤周平（健大高崎）
三塁手　山下陽輔（智辯学園）
遊撃手　大塚瑠晏（東海大相模）
外野手　前川右京（智辯学園）
外野手　宮坂厚希（智辯和歌山）
外野手　阪上翔也（神戸国際大附）

　好投手揃いのこの世代。今年、かなり苦労したのは、甲子園のヒーローになりそうなスーパーエース候補が地方大会で敗退したことで、納得いく選出をするためにかなり時間をかけた。秋、センバツ、夏の活躍度を検証した結果、小園健太を選出することに決まった。

　今年の高校野球を振り返ると、2020年秋から世代NO.1右腕と評された小園健太投手が中心だった。この小園を攻略しなければ全国の頂点には立てない。小園は昨秋、ライバル・智辯和歌山から3勝を挙げた。智辯和歌山はセンバツ出場を逃し、夏の甲子園出場するには小園を攻略することが至上命題だった。夏には智辯和歌山がリベンジ。そのまま甲子園優勝を果たした。またセンバツでは市立和歌山に勝利した明豊がセンバツ準優勝した。

　今年に関しては小園健太を中心に回っていたことは間違いない。小園の能力の高さ、ストーリー性を含めてベストナインに選出した。

　中川勇斗（京都国際）は、今年の高校生捕手の中でもトップクラスの捕球技術と、スローイングを持っていた。春夏の甲子園計6試合いずれも接戦で勝ち抜けたのは中川のリードがあってこそ。キャッチングを参考にする声もある。

　一塁は金子京介。岩手大会で5試合連続本塁打を放つなど、話題となったスラッガー。今年の一塁手ではスケール、パワーともに圧倒しており、文句なしの選出となった。

　二塁は小澤周平。二塁手ながら高校通算50本塁打を打った選手は記憶にない。この選手の象徴な一発といえば、昨秋の群馬県大会準決勝で放った特大本塁打だ。桐生球場は両翼100メートル、中堅122メートルとかなり広い球場なのだが、それをものともせず、上段へ運んだ一打はすごかった。ただ、この時は関係者のみの入場。群馬の高校野球ファンが大きく印象に残っている本塁打は第103回群馬大会準決勝戦での本塁打だろう。豪快な一撃に小澤は確信歩き。とても印象に残るスラッガーだった。

　三塁は山下陽輔（智辯学園）だ。球際が強い守備に加え、勝負強い打撃。この選手には打つことはもちろんだが、四球を選ぶ姿にも貫禄があった。ボール球、誘い球には微動だにせず、着実に出塁する。勝利のために自分勝手な打撃をしない。もっと勝負をしてもらえば、本塁打を量産している選手だった。法政大では、そういう勝負から甘いボールを逃さず長打を量産できる選手になることを期待したい。

　遊撃手は大塚瑠晏（東海大相模）。甲子園を見ると、上手い遊撃手、スケールが大きい遊撃手はいるが、スター性、スピード、技術の三拍子が揃った選手といえば、大塚だった。

　外野手では前川右京。夏の甲子園で圧巻の2本塁打。スイングスピード、打者としての雰囲気、技術の高さは一級品。センバツで結果を残せなかった悔しさを乗り越え、精神面で大きく成長し、別格の打者へ成長した。

　智辯和歌山から宮坂厚希を推したい。主将としてチームを牽引。1年冬に、遊撃手に転向した細川凌平の代わりにセンターへコンバートされた。持ち味の俊足も活かした。準決勝の近江戦では5打数4安打、決勝戦の智辯学園戦でもいきなり二塁打を放ち、優勝に大きく貢献した。

　神戸国際大附（兵庫）の阪上翔也も投打ともに魅力的な逸材だった。投げては145キロ前後の速球と鋭く落ちる変化球を武器に三振を量産。打者としても、安打を量産し、今年の高校生外野手の中ではスケール、全国大会での実績がトップクラスと評価し、ベストナインに選出した。

　この9人以外にも魅力的な選手は多くいた。今後の活躍を期待したい。