第213回 足首の複雑な動きとゆるみ・硬さ2019年01月15日

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【目次】
[1]足関節は複雑な動きをする
[2]足首がゆるいとは

足首がゆるいとは



足のつま先に負荷をかけるトゥレイズは底屈動作を強化し、内返し動作を抑える

 足関節は複雑な骨の構造と骨と骨をつなぐ靱帯、それを支える筋肉群で構成されていますが、何度も捻挫を繰り返していると骨と骨をつなぐ靱帯の強度が弱まり、適切な関節可動域の範囲を超えて「足首がゆるい」状態になることがあります。このような状態を放置しておくと、ちょっとしたことですぐにコケてしまったり、捻挫してしまったりといったことが考えられます。靱帯そのものは強化することがむずかしいのですが、足関節の周囲にある筋肉を鍛えて強化すると、足首のゆるさを改善させる効果が期待できます。内反捻挫では足裏が内側を向く内返し(底屈+内転+回外)の動きによって起こりますので、この内返し動作を抑えるために足首外側にある腓骨筋などをチューブで鍛えたり(外転強化)、底屈動作を抑えるために足の甲を手前に引き寄せるトゥレイズなどのエクササイズ(背屈強化)を行うようにすると内反捻挫の予防につながります(図3)。

●硬い足首もケガのリスクが高まる
 一方足首が硬いという選手も多いと思いますが、足首が硬いとどのようなことが考えられるでしょうか。足首は骨や靱帯によってある程度動きを制御し、組織を傷めないように働いていますが、適切な関節可動域にまで至らない状態もまたケガをしやすいと考えられます。例えば両足をそろえて膝を抱えてしゃがみ込む動作がむずかしい場合(背屈制限)は足関節前部のつまり感や、踵からふくらはぎにかけての筋肉が硬くなっていることなどが挙げられるでしょう。
 入浴時に湯船で正座をすることで底屈の動作をサポートしたり、手指と足指を握手させるようにして足首を回すようにすることでも足首の硬さを改善させることが期待できます。また足首が硬いと、足首だけではなく膝や股関節、腰背部といった体重を支える荷重(かじゅう)関節にも大きな負担がかかりやすいため、大きなケガにつながる前にセルフコンディショニングによって足首の硬さを改善させるように心がけることが大切です。

【足首の複雑な動きとゆるみ・硬さ】
●足首の動きは底背屈、内外転、回内・回外という6種類の動きが複雑にかけあわされて起こる
●足首の内返し動作は底屈+内転+回外、外返し動作は背屈+外転+回内の組み合わせ
●足関節内反捻挫は内返し動作で起こり、習慣性に移行しやすい
●足関節外反捻挫は外返し動作で起こり、骨折や靱帯断裂など重症化しやすい
●足首のゆるさを改善させるためには内返し動作をしないようなエクササイズを選択して行う
●足首の硬さは足首のケガだけではなく、荷重関節にも大きな負担がかかりやすい

(文=西村 典子

次回コラム公開は1月15日を予定しております。

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プロフィール

西村典子
西村 典子 トレーナー
  • ■ 生年月日:1970年12月5日
  • ■ 出身地:大阪府
  • 奈良女子大学文学部教育学科体育学専攻卒。野球用品メーカーにて勤務後、トレーナーとして10年以上にわたり高校野球・大学野球の現場にたずさわる。野球現場での活動を通して自分たちで自分の体をマネジメントする「セルフコンディショニング」の重要性を感じ、チーム・選手・指導者にむけてスポーツ傷害予防や応急処置、トレーニング(ストレングス&コンディショニング)に関する教育啓蒙活動を行っている。

    一般雑誌、専門誌、ネットなどでも取材・執筆活動中。また整形外科ドクターと野球の傷害予防に関する共同研究活動なども行っている(現在の研究テーマは手指血行障害について)。

    現在、東海大学硬式野球部アスレティックトレーナーをはじめ、さまざまな高校野球部を担当中。
  • ・日本体育協会公認アスレティックトレーナー
    ・NSCA公認ストレングス&コンディショニング・スペシャリスト(CSCS)
    ・NSCA公認パーソナルトレーナー(NSCA-CPT)
    ・日本スポーツ整形外科学会会員 等
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