東海地区のこの秋の県大会は愛知県、岐阜県、静岡県で前年優勝校が連続優勝を果たした。

 愛知は中京大中京、岐阜は県立岐阜商、静岡は藤枝明誠だった。また、三重県は三重が復活した。これらのチームを中心に2021年の東海地区高校野球は展開されてしていくであろう。

 そんな東海地区の2021年を展望してみた(愛知展望は別途掲載)。後編では静岡の2021年を展望していきたい。

藤枝明誠・加藤学園・常葉菊川が3強か


 静岡県は藤枝明誠の2年連続優勝となったが、3位校で東海大会進出を果たした加藤学園とともに、近年躍進して安定している。さらには、これに常葉大菊川が加わって3強と言っていい。この秋は、この3校が上位を占めた。

 藤枝明誠は決して大きくはないが大きく足を上げてダイナミックに投げ込んでくる藤枝明誠君が軸。4番川瀬 譲二君の力強い打撃も期待できる。加藤学園は昨秋は準優勝で東海大会に進出して4強進出。明治神宮枠の恩恵で初出場を果たした。センバツは中止となったものの夏の交流試合で初の甲子園での戦いを経験することが出来た。その戦いで米山 学監督は、1年生の太田 圭哉君を1番遊撃で起用するなど大胆な采配で初勝利。一つの歴史を築くことが出来た。

 秋は東部地区1位通過で挑んだ県大会は準決勝で藤枝明誠には敗れたものの3位決定戦で三島南を下して2年連続の東海大会進出を果たした。経験豊富な雨宮 快成君が捕手としてチームを引っ張っている。

 常葉大菊川は2007年のセンバツ優勝時の主将で捕手だった石岡 諒哉監督が就任。3年ぶりの東海大会進出を果たした。「とびぬけた選手がいるわけではない中で、泥臭い戦いで挑みたい」という思いである。

 ベスト4のもう1校は三島南だった。21世紀枠の県推薦校にも選ばれたが、創部100年目に当たる選手たちの年に快挙である。ことに、準々決勝で静岡打線を上手にかわした植松 麟之介君の丁寧な投球は秀逸だった。リリーフとしてマウンドに登ることもある前田 銀治君は打線では中核の3番を任されているが、140キロの速球にもっと磨きをかけていきたいとこの冬に励んでいる。

 190cmの大型投手髙須 大雅君を擁する静岡は、大会前の評判は一番高かったが三島南に屈した。リードオフマンの山本 和輝君、相田 康慎君と池田 惟音君と言った中軸もパンチ力はある。ただ、三島南の時のように軟投派にかわされていくと打ち上げていって凡退を繰り返してしまう。このあたりの克服が一番の課題だろう。力としては、前述の3強以上のものがあると言っていい。

 他には1年生ながら望月 琉要君の評価が高い常葉大橘、そつのない戦いをする御殿場西。着実にかつての輝きを取り戻してきている伝統の静岡商なども目が離せない存在となりそうだ。同じく、名門復活を果たしつつある浜松商掛川西島田商も注目だ。

 また、静清磐田東報徳学園監督で全国制覇の実績もあり、U―18日本代表の監督経験もある永田 裕治監督が就任した日大三島。そして夏季大会で優勝を争った聖隷クリストファー浜松開誠館と言ったところも、もちろん来春への期待は高い。

(記事:手束 仁