Column

【栃木抽選会後 展望】作新学院、文星芸大附、青藍泰斗の3強が一歩リード 3強を追う学校は?

2016.06.28

 第98回栃木大会の組み合わせが決まった。ポテンシャルの高い選手が多数揃う栃木県は、今年も激戦の組み合わせとなっている。現時点では6年連続出場を目指す作新学院優勝の文星芸大附、準優勝の青藍泰斗の3強がリードしているが、他にはどんな有力校があるのだろうか。

■組み合わせ表を見ながら展望を読んでみよう

第98回栃木大会組み合わせ表

文星芸大附・作新学院ブロックは甲子園出場経験のある学校が集結

佐藤 良亮(文星芸大附)

 文星芸大附は、技巧派左腕・佐藤 良亮、130キロ中盤のストレートとキレのある変化球を投げ込む海老原 丞の両投手の出来がカギ。また強肩強打の捕手・小野 貴照を中心とした打線は強力。そんな文星芸大附石橋と対戦する。そして隣の山には、なんと作新学院がいる。両校の対戦が実現するには準々決勝まで勝ち進まなければならない。

 作新学院は夏へ向けて必ず仕上げるチームであり、2011年から続く6年連続の夏の甲子園出場も、十分期待できる戦力が揃っている。まず投手陣では186センチの長身から角度ある直球を投げ込む入江 大生、最速148キロ右腕・今井 達也の2枚看板で形成。パンチ力のある小林 虎太郎山本 拳輝など長打力ある選手が揃う。は準々決勝で敗れたとはいえ、他校は警戒しているに違いない。同ブロックには投打の柱・早川 賢汰がチームを引っ張る幸福の科学学園、また伝統校・大田原も揃うブロックとなっている。

 シード校の矢板中央はダイナミックなフォームで直球と落差のある縦の変化球で勝負する鈴木 悠介や、超俊足の江尻 洋輔など今年も能力が高い選手が揃う。 また同ブロックには佐野日大がいる。佐野日大は、本格派右腕・永沢 楽、速球派左腕・中山 貴史など、投手としての素材の高さは県内でも上位レベルだが、なかなか能力を発揮しきれていないのが現状だ。

このページのトップへ

[page_break:3強の中でもポテンシャルが高い青藍泰斗はいかに駆け引きができるようになるか?]

 また全国的に見ても足の速さならば全国トップクラスの五十幡亮汰インタビューはこの春からショートに転向。五十幡はキャッチボールを見ていても、長い距離でもライナー性で投げることができる肩の強さを持った選手。遊撃手になっても、その強さを発揮していたが、まだ下半身の動きが硬かった。夏になって動作に柔軟性が出てきたのか、注目をしていきたい。

 またそして同ブロックのシード・真岡工がいきなり白鷗大足利と対戦。白鷗大足利は、完成度の高さで勝負する右腕・伊澤 京佑、速球派右腕・水野 敦之、スラッガー・秋 智也と攻守の要がしっかりといる。あとは攻守ともに完成度を高め、夏を迎えたいところだ。

3強の中でもポテンシャルが高い青藍泰斗はいかに駆け引きができるようになるか?

板垣 理音(青藍泰斗)

 シード校の栃木茂木と対戦。さらにこちらは作新学院を破ってベスト4入りした栃木工さくら清修と対戦する。栃木工は、投手は変化球の制球力、また打者は140キロ台のストレートに振り負けない打撃強化を行っている。こちらのブロックは公立校が多く集まっており、もしシード校が敗れることになると、どこが勝ち上がってもおかしくない。

 そして昨夏準優勝の国学院栃木も一気に畳みかける攻撃力がウリの好チーム。初戦は伝統校・宇都宮商と対戦することに。同ブロックは、強豪校にも競り合いを演じる真岡だろう。この、準優勝の青藍泰斗は、最速146キロ右腕・石川 翔、最速145キロ右腕・板垣 理音と全国クラスのポテンシャルを持った投手が2人いる。さらに好打者である山ノ井 豪成野口 翔といった左の好打者も立ち並び、攻撃力は非常に高い。あとはどれだけ相手の目線に立って試合ができるか。駆け引きというところが優れれば、甲子園出場も見えてくるだろう。

 作新学院のブロックなどには近年の甲子園出場校が多く集結したが、青藍泰斗のブロックには久しぶりの甲子園出場を目指す学校が中心となっている。今年は例年ほど作新学院の絶対感がないだけに、かなり混戦が予想される。決勝戦までその戦いが見逃せない。

(文・河嶋 宗一


注目記事
第98回全国高等学校野球選手権大会 特設ページ

このページのトップへ

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.05.06

【2024年夏 全国地方大会シード校一覧】現在27地区が決定!

2024.05.06

センバツV・健大高崎は夏も強い! Wエース抜きで県大会優勝、投打に新戦力が台頭中!

2024.05.06

【大阪】大阪桐蔭が快勝!準々決勝でプロ注目・今坂幸暉擁する大阪学院大高と対戦!<春季大会>

2024.05.06

【春季埼玉県大会】花咲徳栄4回に一挙10得点!20得点を奪った花咲徳栄が昌平を破り優勝!

2024.05.06

【富山】富山商が高岡商を破って春連覇達成<春季県大会>

2024.05.06

【2024年夏 全国地方大会シード校一覧】現在27地区が決定!

2024.05.01

春季大会で頭角を現した全国スーパー1年生一覧! 慶應をねじ伏せた横浜の本格派右腕、花巻東の4番、明徳義塾の正捕手ら入学1ヶ月の超逸材たち!

2024.05.01

【神奈川】関東大会の切符を得る2校は?向上は10年ぶり、武相は40年ぶりの出場狙う!横浜は6年ぶり、東海大相模は3年ぶりと意外にも遠ざかっていた春決勝へ!

2024.05.01

【兵庫】報徳学園、須磨翔風などが順当に夏の第1シード獲得!昨秋ベスト4の長田、滝川二はノーシードに

2024.05.01

【福島】聖光学院と福島商が県大会切符<春季県大会支部予選>

2024.04.21

【愛知】愛工大名電が東邦に敗れ、夏ノーシードに!シード校が決定<春季大会>

2024.04.22

【春季愛知県大会】中部大春日丘がビッグイニングで流れを引き寄せ、豊橋中央を退ける

2024.04.23

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?

2024.04.21

【兵庫】須磨翔風がコールドで8強入り<春季県大会>

2024.04.22

【鳥取】昨年秋と同じく、米子松蔭と鳥取城北が決勝へ<春季県大会>