目次

[1]競争促す、熾烈な椅子取りゲーム
[2]全国に戻るために生まれ変わった
[3]さらなるフィジカル強化で夏に結果を残せるか

全国に戻るために生まれ変わった

 当時は広島に在籍する小園 海斗内野手を中心にベスト8に進出。選手たちの輝かしい姿を見せられた一方で、ケガ人もいるなど、決して万全ではなかった。

 2018年の夏の甲子園から徐々に聖地から離れたことも大きく影響した。上位に勝ち進んでいっても、明石商神戸国際大附となった県内のライバルに少し力が及ばず、甲子園の切符を明け渡してきた。

 宮﨑コーチは状況を打開するために提案したが、チームを指揮する大角監督も当時特別な思いがあり、すぐに受け入れた。「全国のライバルを見れば練習環境など、自分たちよりも優れたチームは必ずいますので、監督に就任した時から『今までの指導では通用しない。どんどん進化しなければいけない。そのために何ができるのか』ということを考えていました」

 全国で勝つためにはフィジカル強化など、選手それぞれのパワーアップが課題として見えてきたという。そのために練習量とクオリティーの両方を見直すことが必要だった。

 名門校・報徳学園となれば、選手たちが数多く集まる。全員が同じ練習を一斉にやると、限られた時間内で練習量を確保できない。練習の強度を高めて、クオリティーを改善しようにも選手によって、フィジカルの強さが違う分、同じメニューでも成果が変わる。

 少しでも選手たちが上手くなる、力がつけられる練習の進め方、メニューの組み方を考えた末に、チームを4つに分割。全員が練習できるように工夫を凝らし、現在は6つに野手組を分割するようになった。

 「フライでもゴロでも打球速度が大事なので、スイングスピードなどを計測します」と宮﨑コーチは話し、技術はもちろん、スクワットといったフィジカルまで目を向けて、いくつかの項目で選手の能力を数値化してチームを分割したという。

 もちろん、意見を出してもらう以前もチーム分けをしていたものの指揮官・大角監督いわく、「(チーム分けの)基準が漠然としていた」という。そこに対して現在は数字を活用して、選手たちに明示しつつも、根拠を持ってチーム分けしたことで、練習のクオリティーは高まったと感じている。

 「選手同士のレベルに差がない分、身近な目標としてチームメートと切磋琢磨ができるので、きっちり競争できる環境になったと思います」(大角監督)

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