第629回 投手育成の原点は、30mブルペンでのしっかりした投げ込み!霞ヶ浦(茨城)【前編】2019年07月10日

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【目次】
【霞ヶ浦の練習の模様をギャラリーで】
[1]作り直していく中で台頭してきたエース・鈴木寛人
[2]好投手輩出の陰にロングブルペンあり

 悲願の甲子園初出場を果たしたのが2015(平成27)年夏。それまで、7年間で5度、茨城大会決勝で苦杯を舐めさせられてきた。そうして6度目の挑戦でついに悲願を果たしたのだが、それだけ県内では強豪校としての位置づけを維持し続けてきているともいえる。

 もっとも、一昨年夏には決勝で前半最大5点のリードをしながら、逆転され、一次は再度追いついたものの、延長の末に土浦日大に屈した。その悔しさは大きかった。また、昨夏もベスト4に進出したものの甲子園には届かなかった。果たして、今年はどんな夏になるのだろうか。4年ぶりを目指す霞ヶ浦を訪ねてみた。

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作り直していく中で台頭してきたエース・鈴木寛人



30メートルブルペンでピッチングをする霞ヶ浦の選手たち

 昨年秋の県大会はベスト8に進出して藤代に敗退。しかし。春は守りが乱れたこともあって明秀学園日立に初戦で10対7という乱戦の末に敗退。やや不本意な結果に終わった、そこからの立て直しとして挑む夏となる。

 夏を目指す戦いとしては、6月になってチームとしては一気に仕上がってきたということを高橋祐二監督も実感している。というのも、ここへきて投手としては、期待していた鈴木 寛人君が一気に成長してきたなと感じさせてくれるようになってきたのが大きい。プロのスカウトからも、注目される存在になってきたのである。

 「春は、投手を含めた守りが崩れて、簡単に早く終わりましたから…。時間もあったので、そこから作り直していく時間もありました」

 そう、高橋監督は振り返るが、そこからもう一度鍛え直していく中で、投手陣の中から鈴木君が大きく抜け出してきたのだ。最速148キロまで表示しているというストレートのスピードもさることながら、球の回転がいい投手としての評価が高い。

 実は、そうした投手育成の背景には、霞ヶ浦独特の投手作りの秘訣があった。

 それは、プレートからホームベースまでの距離が30mもあるロングブルペンでの投げ込みだ。そこで、今の時期は週2回、ストレートで50球、変化球(カーブ)で20球の合計70球を投げる。これが、冬の時期には週3回行うという。通常のバッテリー間(18・44m)の倍近い長さを投げるのだが、これを6~7分程度の力で投げて、球の軌道がスーッと糸を引くようになっていくのが理想だという。

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プロフィール

手束仁
手束 仁
  • 生年月日:1956年
  • 出身地:愛知県
  • ■ 経歴
     愛知県知多市出身。半田高→國學院大81年卒。大映映像事業部など映像会社で、映画・ビデオなどの販売促進、営業等を経て、編集プロダクションに10年勤務後独立。
     99年に『熱中!甲子園』(双葉社)を仕掛け、を刊行。同年に『都立城東高校甲子園出場物語~夢の実現』(三修社・刊)で本格的にスポーツ作家としてデビュー。99年12月に、『アンチ巨人!快楽読本』(双葉社)を企画編集・執筆。その後、『ふたりの勇気~東京六大学野球女子投手誕生物語』、『高校野球47の楽しみ方~野球地図と県民性』(三修社)などを相次いで刊行。さらに話題作となった『甲子園出場を目指すならコノ高校)』(駿台曜曜社)、『野球県民性』(祥伝社新書)、『プロ野球にとって正義とは何か』、『プロ野球「黄金世代」読本』、『プロ野球「悪党」読本』(いずれもイースト・プレス)などを刊行。
     さらには『高校野球のマネー事情』、『スポーツ(芸能文化)名言』シリーズ(日刊スポーツ出版社)、『球国愛知のプライド~高校野球ストーリー』などがある。
     2015年には高校野球史を追いかけながら、大会歌の誕生の背景を負った『ああ栄冠は君に輝く~大会歌誕生秘話・加賀大介物語』(双葉社)を刊行し18年には映画化された。

     スポーツをフィルターとして、指導者の思いや学校のあり方など奥底にあるものを追求するという姿勢を原点としている。そんな思いに基づいて、「高校生スポーツ新聞」特派記者としても契約。講演なども國學院大學で「現代スポーツ論」、立正大で「スポーツ法」、専修大学で「スポーツジャーナリズム論」などの特別講師。モノカキとしてのスポーツ論などを展開。
     その他には、社会現象にも敏感に、『人生の達人になる!徒然草』(メディア・ポート)、『かつて、日本に旧制高等学校があった』(蜜書房)なども刊行。文学と社会風俗、学校と教育現場などへの問題提起や、時代と文化現象などを独自の視点で見つめていく。 そうした中で、2012年に電子メディア展開も含めた、メディアミックスの会社として株式会社ジャスト・プランニングを設立。新たなメディアコンテンツを生み出していくものとして新たな境地を目指している。
  • ■ 著書
    都立城東高校甲子園出場物語~夢の実現』(三修社) 
    甲子園への助走~少年野球の世界は、今』(オーシャンライフ社)
    高校野球47の楽しみ方~野球地図と県民性』(三修社)

    話題作となった
    甲子園出場を目指すならコノ高校(増補改訂)』(駿台曜曜社)
    スポーツ進学するならコノ高校
    東京六大学野球女子投手誕生物語~ふたりの勇気』(三修社)
    三度のメシより高校野球』(駿台曜曜社)
    スポーツライターを目指す人たちへ~江夏の21球の盲点』(メディア・ポート)
    高校野球に学ぶ「流れ力」』(サンマーク出版)
    野球県民性』(祥伝社新書)
    野球スコアつけ方と分析』(西東社)
    流れの正体~もっと野球が好きになる』(日刊スポーツ出版社)NEW!
  • ■ 野球に限らずスポーツのあり方に対する思いは熱い。年間の野球試合観戦数は300試合に及ぶ。高校ラグビーやバレーボール、サッカーなども試合会場には積極的に顔を出すなど、スポーツに関しては、徹底した現場主義をモットーとしている。
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