近年の高校で、新しい取り組みとして期待を担っているのが総合学科のある学校だ。学校としては部活動にも説教的に働きかけていき、実績を挙げていっているところも少なくない。静岡県内ではそんな学校の一つとして駿河総合がある。今年は、ドラフト指名選手も誕生するのではないかという期待もある。チームも質の高い練習で成果を上げてきつつある。静岡県で新しい風を吹かせている駿河総合を訪ねてみた。
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総合学科の学校として新しい形の文武両道に挑む 駿河総合(静岡)【前編】
バッテリーの守備強化が一番の課題

駿河総合の渡辺光君
キャッチボールとトスバッティングを終えると、すぐにシートについてのボール回しから守備練習となっていく。投手も入れてのシートノックは丁寧で、ことにマウンド周りのボール処理の練習と、いわゆる3~1のプレーと呼ばれている、一塁寄りのゴロで投手が一塁ベースへ走っていくという投内連係の練習も何度も繰り返された。さらには、捕手のショートバウンドボールや暴投のフォローアップから次塁進塁を阻止するための捕球~送球練習はかなり入念に、繰り返し繰り返し行われた。こうした、バッテリーの守備強化を一番の課題として取り組んでいる。
「捕手の送球プレーというのは、必ずそこに走者がいるということですから、その走者の塁を進めてしまうか止められるのかということは、試合の局面でも大きな要素となっていきます。そのことで、試合を落としてしまうということもありますから、特にここは徹底しておかないといけません」 やはり、守りで崩れて行ってはいけないという考え方が根底にある。捕手陣に求められるのは、肩の強さもさることながら、ボールを後ろにそらさないという身体を張ってでも止めていくという基本姿勢である。
1時間ほどのシートノックが終了するとすぐにシート打撃となる。シート打撃は実戦に最も近い練習でもあり、今の時期の一つひとつの打席はとても大事になってくる。この日は、たまたま首都大学の明星大でプレーを続けている吉田幸晟投手が教育実習生として母校へ来ていたのでマウンドに立った。大学リーグでも投げているだけに、選手たちにとってはとてもありがたい練習相手と言える。