目次

[1]部員1名からスタートした伊勢崎清明
[2]信頼関係を築くには褒めることが大切
[3]来年へ向けての課題

 1915年に女子高として創立し、2005年の男女共学化に伴い野球部も創部された群馬県立伊勢崎清明高校。強豪私立が次々と台頭し、伝統校もいまだ実力を有している群馬にあって、上位進出の常連となっている同校の取り組みについてうかがってきた。

部員1名からスタートした伊勢崎清明

練習を見つめる齊藤宏之監督(県立伊勢崎清明高等学校)

 創部1年目は部員がわずか1名しかおらず、公式戦の出場は2年目からだったという伊勢崎清明。しかし、チームを率いて6年目という齊藤 宏之監督が指導にあたるようになってから風向きが変わっていった。
「私が伊勢崎清明に来た当初は、実力があるのに結果を出せないチームだったんです。でも、監督になって2年目の12年夏健大高崎を破って県8強まで進んだことで、これまで他地域に進学していた地元の中学生たちがレギュラー組も含めて集まってくれるようになったんです」

 旧女子高ということもあり、男子生徒は約200名と全校生徒の3割ほどだが、その中の70名が野球部に所属しているという。
「部員のほとんどが伊勢崎周辺の出身で、この地区から甲子園へ行くことを目指しています。地元の選手が多いので、地域の住民の皆様からも応援していただいています」(齊藤監督)

 2年前の14年夏には群馬大会の決勝まで進出し、甲子園まであと一歩に迫った。
「その年は、新チームを結成した時の部員が25名ほどで、全員、軟式出身者でした。ただ、その中に県選抜として全国大会に出場した選手が2名いましたし、各ポジションに実力のある選手が揃っていたんです。そして、1年生大会から結果を残し、初めて中毛地区の代表になって県3位と早くから経験も積んでいたのが、夏の大会でも勝ち上がっていけた理由だと思っています」

 また、その翌年にあたる昨年も結果を残した。
「この代は逆に入部当初はキャッチボールもまともにできないような選手たちが多く、それほど実力はありませんでした。人数も少なかったのですが、『自分たちもできる』という気持ちを持って戦ってくれ、ともに県でベスト8。強豪校が相手でも、先輩たちが頑張って勝ってくれていた姿を良い手本にしてくれました」(齊藤監督)

 伊勢崎清明が毎年のように安定した好成績を残している理由はここにある。
「チームを指導していく中で最も大切にしているのは、上級生が下級生に尊敬される選手になるように促して、野球の技術も学校生活も先輩の姿から後輩が学ぶようにしていくことです」(齊藤監督)

 中井 碩人主将も「チームをまとめていくうえで、『あの時、先輩はこうやっていたな』と思い出して、『じゃあ自分たちもこうしていこう』と参考にさせてもらっています」と話す。また、「3年生の岡本 卓也さんや原 一真さんはすごい選手でしたが、学校では掃除などもしっかりやっていたので、自分も生活面からきちんとしていかなければいけないと感じています。技術面では、肩を強くするために上腕三頭筋を鍛えるトレーニング法を先輩から教えてもらったので、この冬はしっかりと鍛えていくつもりです」