昨日、プロ野球ドラフト会議2021が行われた。支配下選手77名、育成選手51名と合計128名の選手がNPBから指名されたことになる。

 西日本工大の隅田 知一郎投手は4球団が競合の末、西武ライオンズが交渉権を獲得するなど、ドラフトならではの緊張感もあった。また高校BIG3も順当に選出された。ただ、今回はそんな注目選手の動向ではなく、単純にNPBへの近道を考えてみたい。

 NPBに最も近いチームはどこだろうか。高校なら大阪桐蔭花咲徳栄など注目校を思い浮かべるかもしれない。大学では早稲田大、明治大、亜細亜大、慶応大、東北福祉大の名前が挙がる。社会人なら三菱重工West、JR東日本。そして独立リーグなら徳島インディゴソックスが真っ先に上がるのではないだろうか。

 NPB以外のすべてのチームを見渡して、単純に数値だけから、NPBに最短で入るのに最も近いチームを考えたい。

 まずはチームに所属する選手数から何%がNPBに選ばれているのか?例えばいくつか代表的なチームを調べてみた。

大阪桐蔭(高校):10% 2名 (3年生を20名で計算(全選手数61名、))

早稲田大(大学):6% 2名 (4年生35名、全選手数143名)

三菱重工West(社会人):6% 2名(選手数36名)

徳島インディゴソックス(独立リーグ):5% 2名(選手数39名)

ただしこの数値にはトリックがある。実は時間という軸が抜けているのである。つまり「最短で入団」という比較で公平な数値ではない。

高校の場合は1、2年生、大学は1,2,3年生そして、社会人の場合は高卒だと3年間、大卒だと2年間はドラフトに指名されない。つまり上記に該当する期間はNPB輩出率は0%になる。そうなると、実質は入団してから数年はNPBへ行ける割合は、0%になり学生なら最終年で初めてチャンスがでてくるのである。

つまり、NPBに入るという点で、大学進学を希望した選手と独立リーグ(ここでは徳島インディゴソックス)を志望した選手がいた場合、1年目から徳島インディゴソックスでは5%の割合に対して、大学は3年間0%が続くのである、そのため、時間軸まで踏まえてNPBに最短で入る割合を考える必要がある。

高校、大学の場合は所属年数で割ることで、時間まで踏まえた数値が出てくる。(社会人に関しては、選手の所属年数によって割合が変わるため、比較対象から外す)そうすると、NPBに入りやすい数値は下記になる。

大阪桐蔭(高校):3%

早稲田大(大学):1%

徳島インディゴソックス(独立リーグ):5%

参考:三菱重工West(社会人):6%以下

 割合だけで考えると、徳島インディゴソックスが頭一つ抜けているのが分かる。

 ただし、この割合だけでは、毎年安定してNPBに選手を輩出しているチームなのかどうかは特定できない。ある年だけのイレギュラーが起きている可能性を排除できないからだ。そこで2021年目時点で何年連続でNPBに輩出しているかを考えることで、この数値がNPBに輩出するベストチーム選出の正確な指標に変わってくる。

1:明治大(大学):12年連続

2:JR東日本(社会人):11年連続

3:徳島インディゴソックス(独立リーグ):9年連続

(参考)

花咲徳栄(高校):7年連続

大阪桐蔭(高校):4年連続

 明治大が12年連続となり、各世代を通じて最長となった。
 次にJR東日本11年連続となっており、第3位に徳島インディゴソックスの9年連続がくる。

 なお、高校では花咲徳栄が過去の中京大中京愛工大名電大阪桐蔭に並ぶ最長7年連続を記録した。

 徳島インディゴソックス以外の今回挙がったチームは、数々の全国大会で実績を上げたことが長く積み重なって、『強さ』『人気』『伝統』を呼んでいる。

 そのため、高校であれば地元中心の中京大中京は愛知トップクラスの逸材が、大阪桐蔭、花咲徳栄、愛工大名電などは全国から逸材が集まってくる。

 そして、大学以上は更にその中の選り抜きのエリートが門を叩くのだ。

 だからこそ、これらの学校、企業チームは多くのアマチュアチームの憧れであり、目標となっている。

 一方、徳島インディゴソックスの9年連続という数値は何が凄いかといえば、名門大学、名門チームではスカウトされなかった選手たちが入団して、叩き上げでNPBへ送り込んでいるのだ。

 さらに徳島インディゴソックスの突出ぶりを示すために、独立リーグのNPB輩出偏差値を用いて紹介をしていきたい。

 すると、徳島インディゴソックスは偏差値78に対して2番目のチームは偏差値が54となる。つまり徳島インディゴソックスが異質なのである。