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【ドラフト】名選手輩出はPL学園から大阪桐蔭へ、そして今後は

2021.10.10

 11日に訪れるプロ野球ドラフト会議。1965年11月17日、第1回ドラフト会議が開催されてから、56年の月日が経とうとしている。数々のドラマがあり、有名選手が笑い、そして泣いた。

 その長い歴史のなか、人材を輩出してきた高校のひとつに大阪府のPL学園がある。甲子園でも感動を与え、プロ野球に進んでも、また感動を与えてきた。しかし、現在、野球部は休部状態。その一時代の終焉と同時に、大阪でまたひとつ「ポストPL」として君臨しているのが大阪桐蔭だ。ここからも多くのプロ野球選手が輩出され、あらたな黄金期を迎えている。

 この2チームから過去、夏の甲子園に出場し、その後のドラフトで指名された主な選手を振り返ってみようと思う。

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桑田 真澄(PL学園出身)

 PL学園は1962年、初めて夏の甲子園に出場している。「ミラクルPL」と呼ばれて初優勝したのが1978年のことだった。それまでのドラフト指名選手には懐かしい名前が並んでいる。

新井 宏昌 1970近鉄9位⇒法政大→1974南海2位
行沢 久隆 中央大→1975日本ハム2位
金森 栄治 早稲田大→プリンスホテル→1981西武2位
西田 真二 法政大→1982広島1位
木戸 克彦 法政大→1982阪神1位

 その後、PL学園は黄金期を迎える。1983年から5年の間に3度優勝した。「KK」の時代から、春夏連覇の時代でもあった。

岩田 徹 三菱自動車水島→1988阪神4位
桑田 真澄 1985巨人1位
清原 和博 1985西武1位
松山 秀明 青山学院大→1989オリックス5位
内匠 政博 近畿大→日本生命→1992近鉄3位
立浪 和義 1987中日1位
橋本 清 1987巨人1位
野村 弘樹 1987大洋3位
片岡 篤史 同志社大→1991日本ハム2位
宮本 慎也 同志社大→プリンスホテル→1994ヤクルト2位

 その後、PL学園は大阪府の激戦区を勝ち上がることが難しい時代を迎え、出場しても全国優勝はできない時代が続く。それでも「逸材」は輩出した。

福留 孝介 1995近鉄1位⇒日本生命→1998中日1位
前川 克彦 1996近鉄1位
荒金 久雄 青山学院大→2000ダイエー5位
大西 宏明 近畿大→2002近鉄7巡目
平石 洋介 同志社大→トヨタ自動車→2004楽天7巡目
朝井 秀樹 2001近鉄1巡目
今江 敏晃 2001ロッテ3巡目
小窪 哲也 青山学院大→2007(大・社)広島3巡目
前田 健太 2006(高校)広島1巡目

 センバツ出場だけに終わった、甲子園には縁がなかった選手ももちろん多くいる。こちらの方が馴染みかもしれない。

得津 高宏 1965近鉄8位⇒クラレ岡山→1966(1次)東京6位
加藤 秀司 1966(1次)東映4位⇒松下電器→1967南海10位⇒松下電器→1968阪急2位
中塚 政幸 中央大→1967大洋2位
尾花 高夫 新日鉄堺→1977ヤクルト4位

吉村 禎章 1981巨人3位
小早川 毅彦 法政大→1983広島2位
西川 佳明 法政大→1985南海1位
森 浩之 東洋大→1986南海2位
若井 基安 法政大→日本石油→1987南海2位
入来 祐作 亜細亜大→本田技研→1996巨人1位
今岡 誠 東洋大→1996阪神1位
坪井 智哉 青山学院大→東芝→1997阪神4位
田中 一徳 1999横浜1位
小斉 祐輔 東農大生産学部→2005(育成)ソフトバンク1巡目
中川 圭太 東洋大→2018オリックス7位


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藤浪 晋太郎(大阪桐蔭出身)

 21世紀に入ると、大阪桐蔭が台頭してくる。夏甲子園初出場初優勝したのが1991年。その後、徐々にPL学園に取って代わる存在になってくる。ドラフト指名選手を見てもあきらかだ。創世期から2008年の優勝までの主な選手は、プロ野球界の中心を担っている。

萩原 誠 1991阪神1位
西岡 剛 2002ロッテ1巡目
平田 良介 2005(高校)中日1巡目
辻内 崇伸 2005(高校)巨人1巡目
中田 翔 2007(高校)日本ハム1巡目
岡田 雅利 大阪ガス→2013西武6位
浅村 栄斗 2008西武3位

 そして2012年、春夏連覇の黄金期を迎え、現在に至っている。

藤浪 晋太郎 2012阪神1位
森 友哉 2013西武1位
沢田 圭佑 立教大→2016オリックス8位
香月 一也 2014ロッテ5位
福田 光輝 法政大→2019ロッテ5位
青柳 昴樹 2015DeNA6位
正隨 優弥 亜細亜大→2018広島6位
根尾 昂 2018中日1位
藤原 恭大 2018ロッテ1位
柿木 蓮 2018日本ハム5位
横川 凱 2018巨人4位

 もちろん、夏甲子園には縁がなかった選手も多い。

今中 慎二 1988中日1位
中村 剛也 2001西武2巡目
岩田 稔 関西大→2005(大・社)阪神希望枠
山足 達也 立命館大→ホンダ鈴鹿→2017オリックス8位

 そして、大阪桐蔭と二分する勢いで台頭し始めているのが同じ大阪の履正社。近年の有望若手を輩出している。

山田 哲人 2010ヤクルト1位
坂本 誠志郎 明治大→2015阪神2位
寺島 成輝 2016ヤクルト1位
安田 尚憲 2017ロッテ1位
井上 広大 2019阪神2位

 今年度、大阪桐蔭でプロ志望届を提出しているのは池田 陵真外野手と松浦 慶斗投手。履正社では草場 悠捕手。どの球団から指名を受けるのだろうか。

 PL学園出身のドラフト指名選手は70人を超えている。21世紀に入り、時代が進むと大阪桐蔭が台頭し、現在は40人を輩出。履正社は16人。今後も、もっと増えていくだろう。そしてまた、この強豪チームを凌駕するようなチームもまた出てくるかもしれない。ドラフトをひもとくことは、高校野球強豪校の歴史をひもとくことにもなる。

(記事:浦田 由紀夫

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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