2003年世代の野手は吉野創士(昌平)を筆頭に名門校だけではなく、新鋭校にも注目スラッガーが登場!【前編】
2003年世代の投手は森木大智を筆頭に投手に逸材が揃う。また野手も非常に能力が高い選手が揃っているのが特徴だ。そんな野手についても前編・後編で紹介。まずは北海道、東北、関東、東京、東海の5地区だ。
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2003年世代は投手豊作年!?森木大智、笹倉世那、松浦慶斗など豪腕揃い【前編】
北海道地区~関東地区注目のスラッガーたち
吉野 創士(昌平)
まず北海道地区では強打の宮下朝陽(北海)に注目。重心を深く沈めたフォームから力強いスイングを見せる。将来的には北海道を牽引する強打者となりそうだ。そして昨秋の全道大会準優勝の札幌日大も決勝戦で本塁打を放った石川 真も打率.455を残し、期待のプレイヤーだ。
東北地区では1年夏から甲子園を経験した野呂田 漸(秋田中央)は1年生らしからぬ落ち着いたリード、立ち居振る舞い、間の取り方の上手さ、地肩はそれほど強くないが、持ち替えが速いスローイングなど捕手としてハイレベル。フィジカルを強化し、成長した姿を見せていきたい。1年春から強打の盛岡大附打線のレギュラーに食い込んだ松本 龍哉は力強いスイングから広角に長打連発。また堂々と自分の間合いで勝負できる度胸の強さがあり、勝負強さを発揮している。
また木村航大(仙台育英)は冷静なリードが持ち味の好捕手。同じく仙台育英の二塁手・渡邉旭も俊敏な動きがひかる。
健大高崎の小澤周平は昨秋の関東大会の常総学院戦で本塁打を放ったスラッガー。172センチと決して大きくないが、遠くへ飛ばす技術が突出している。俊敏な二塁守備、1三塁打のタイムで11秒50で駆け抜ける俊足も魅力的だ。
昨年、甲子園に出場した霞ヶ浦は俊足巧打のセンター・飯塚恒介、主軸打者・宮崎莉汰に注目したい。
埼玉の吉野 創士(昌平)はこの世代を牽引する大型外野手になりそうだ。185センチ74キロの恵まれた体格に、50メートル6秒1、ライトからほぼダイレクトで投げ込む強肩、1年秋の県大会前に高校通算21本塁打。順調にいけば、高卒プロを狙える大器になるのではないだろうか。同じ埼玉では豪快なスイングを見せて、本塁打を量産する波多野幹太(山村国際)、また浦和学院の二塁手・吉田匠吾は俊敏な二塁手に加え、昨秋は埼玉県を代表する本格派・内田了介(埼玉栄)から本塁打を放った。花咲徳栄の浜岡陸も打撃技術の高さは光るものはある。
千葉県では2人のスラッガーに注目。まず吉岡道泰(専大松戸)は1年春から活躍を見せてきた左のスラッガー。広角に鋭い打球を飛ばせる打撃技術の高さがあり、すでに体格や打球の飛距離を見ても例年の専大松戸の主力スラッガーと引けを取らない実力を1年生の時点で持ち合わせていた。あとは全国レベルの実績、高校通算本塁打など突出したパフォーマンスを見せることができるか。ベースランニングやノックを見ても身体能力の高さは伺える逸材であり、ドラフト候補となりそうだ。
有薗直輝(千葉学芸)も広いマリンフィールドでスタンドインさせる長打力は圧巻。強肩も魅力の三塁手で、全国クラスの右のスラッガーへ育つ可能性を持っている。習志野は俊足巧打の外野手・小林風太は中央大に進んだ根本翔吾を思い出させるようなプレースタイルを見せる。
神奈川の名門から逸材が続々登場
小田康一郎(中京学院大中京)
神奈川は名門校に逸材が続々登場。まず秋優勝の東海大相模は、遊撃手の大塚 瑠晏の素早い動きは目をみはるものがあり、遊撃守備力はこの世代でもトップクラス。あとは打撃を強化し、評価を高めていきたい。秋準優勝の桐光学園は内囿光人が攻守で存在感を示しており、打順は下位ながら、バットコントロールはよく、軽快な内野守備があり、桐光学園らしい基礎がしっかりした好プレイヤーだ。そして秋ベスト8の横浜は左のスラッガー・安達大和、強肩巧打の捕手・立花祥希と能力の高い選手を揃える。
東京都はまず秋優勝の国士舘のセンター・清水武蔵に注目。昨秋の公式戦で打率.458をマーク。対応力の高さを感じさせる打撃と高い守備力と今後の東京を盛り上げる存在になりそうだ。秋準優勝の帝京は堅実な内野守備とパンチ力のある打撃を見せる三塁・武藤闘夢の進化も楽しみだ。
関東一の初谷健心は守備力重視で、さらに野手のタレント揃いだった昨年の関東一メンバーでレギュラーを勝ち取った中距離打者。堅実で、さらに強肩が光る三塁守備は非常にレベルが高く、さらに長打力が出てくれば楽しみな選手だ。
東海地区では昨夏の甲子園ベスト4に貢献した大型三塁手・小田康一郎はパワーだけではなく、バットコントロールも巧みな左のスラッガーで、勝負強さも健在。三塁守備を見ても肩の強さが光る。センバツは中止になったが、ブレイクが期待された高木翔斗(県立岐阜商)も楽しみな大型捕手。打撃技術の高さは素晴らしいものがあり、あとはディフェンス力向上が課題となるだろう。
また加藤学園は168センチながら本塁打を量産する左の強打者・佐野陸斗、彦坂 藍斗(享栄)も抜群のバットコントロールが光る左の巧打者で、豊橋中央ボーイズ時代は、横浜の立花とともに活躍を見せてきた。
後編では北信越、近畿、中国、四国、九州の逸材を紹介。こちらも楽しみな選手が多く出てきた。
(記事=河嶋 宗一)
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