みちのく便り~心の高校野球~

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第6回 花巻東・もう1つの甲子園2010年03月03日

 甲子園―。
すべての高校球児、とはいかないかもしれないけれど、たいていの高校球児がプレーしたいと目標にする場所だ。だけど、そこでプレーし、まばゆい光を放つことができる選手はほんの一握り。出られない選手の方が遙かに多い。たとえ、チームが甲子園に出られたとしても、スタンドで声を枯らす選手だっている。甲子園でプレーしている選手だけが高校球児じゃないし、それがすべてじゃない。高校生が野球を通して何を学んだか、甲子園を目指すことで何を学んだか、そして、それを卒業後にどう生かすか、それが大切だと思うんだ。

2009年、聖地に旋風を巻き起こした花巻東。誰もが、あのパープルのユニフォームの躍動に酔いしれた。大観衆の中、プレッシャーがある中、緊張感のある中、地元・岩手を誇りにプレーし続けた選手は凄かった。でも、試合に出てボールを投げ、捕り、バットを振った選手だけがスゴかったわけじゃあない。彼らの横には、同じように佐々木洋監督のもと、野球を極めた選手たちがいる。彼らの後ろや裏ではない。陰でもない。彼らの横で。ただ、高校野球の聖地で野球をプレーすることが許されなかった。でも、3年間、高校野球を全うし、人生の指針を学んだ。そんな彼らの高校野球を聞いてきた。

こちらから指名した選手ではない。流石部長にお願いし、佐々木監督にご推薦いただいた。流石部長が佐々木監督に説明すると、すぐに名前が挙がったという2人の選手。

山内健、小野寺諒。
流石部長は言う。「野球の技術だけじゃなく、人柄ですね。小野寺は成績が優秀。野球部で1番じゃなくて、学校で1番じゃないですかね。あの通り真面目な性格ですし。誰も小野寺に対して非の打ち所がないと思います。山内はみんなからの推薦で、甲子園でプラカードを持ったんですよ。一生懸命ですし、裏表もない。野球ではレギュラーになれなかったんですけど、間違いなく、生き方とか人間性はレギュラーですね、2人とも。どこに出しても恥ずかしくないですね」。
もう1つの甲子園が、そこにはあった。

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プロフィール

高橋昌江
高橋 昌江
  • ■ 生年月日:1987年3月7日
  • ■ 出身地:宮城県栗原市(旧若柳町)
  • ■ 宮城県仙台市在住のフリーライター
    少年野球からプロ野球まで幅広く“野球”を取材し、多方面に寄稿している。
  • ■ 中学校からソフトボールを始め、大学2年までプレーヤー。大学3年からはソフトボール部と新聞部を兼部し、学生記者として取材経験を重ねる。
    ソフトボールではベンチ入りはできなかったものの、1年と4年の2回、全日本大学女子ソフトボール選手権大会で優勝を経験した。
    新聞部では何でも取材したが、特に硬式野球部の取材をメインに行っていた。最後は明治神宮大会準優勝を見届けた。
  • ■ ソフトボール部の活動から得た「人間性、人間力」を軸に「どう生きるか」を考えている。
  • ■ 野球が好きというよりは、野球の監督・コーチ・選手・関係者と話しをして、聴いたこと、感じたことを書いて伝えることが好き。“野球”については、常に勉強中。
  • ■ 【言葉には、力がある】が信念
  • ■ 取材時の持ち物は「気持ち、熱意、真心、笑顔」。
  • ■ 愛読書はデール・カーネギー『人を動かす』など自己啓発系が多い。
  • ■ 『高校野球ドットコム』にて「みとのく便り~心の高校野球~」好評連載中!!
  • ■ ブログ:「今日も青空の下で、笑顔を咲かせる」(高橋昌江オフィシャルブログ)
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