第15回 東邦の課題は石川以外の投手陣の台頭!潜在能力の高い逸材が揃った東邦投手陣!2019年04月04日

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 第91回選抜高校野球大会で優勝を収めたのは、東邦だった。センバツ最多の5度目の優勝を飾った東邦の立役者は、決勝戦で投手としては3安打完封、野手としては3安打2本塁打4打点の活躍を見せた石川 昂弥になるだろう。ただ、この夏、激戦の愛知大会を制し、さらに夏も全国制覇を目指すには石川以外の投手陣の台頭が課題となる。今回はそんな投手陣に夏へ向けての意気込みを伺った。

 東邦の投手陣に話を聞くと、チームの優勝に対して喜んでいるものの、自分の結果に満足しているものは誰もいなかった。

140キロ台続々。ベンチ入り投手が語った夏へ向けての意気込み



夏への意気込みを語った植田結喜(左)、奥田優太郎(右)

 投打にセンス溢れる石川は、どちらかというと野手志向。年明け、森田監督に電話取材した時も、昨年末にチーム取材した時も、石川以外の投手台頭が課題となっていた。その中でキーマンとして期待された最速142キロ左腕・植田 結喜は、センバツにかけて燃えていた。しかし、このセンバツでは広陵戦にリリーフ登板したが、1イニング2失点に終わった。植田は「この結果は悔しい」と振り返った。植田は東邦OBでプロでも活躍した木下 達生コーチとともに二人三脚で投球フォーム固めを行っている姿も見られ、それが夏に実ることを期待したい。

 また、右サイドから140キロ台の速球を投げ込む奥田 優太郎は2試合で無失点の好投を見せた。奥田は「初戦はだいぶ緊張しましたが、準々決勝はだいぶ落ち着くことができたと思っています」と2試合を振り返った。秋からの成長点について精神面を挙げた奥田。そのきっかけは東海大会準決勝・中京学院中京戦だ。4回途中から登板したが、3失点。悔しいマウンドとなった。
「あの時、全く自分の力を発揮できず、悔しい思いをしました」
 この冬は精神面の強化を課題に日々のピッチング練習に取り組んできた。甲子園2試合は無失点で切り抜けることができたのは、秋よりも精神的に強くなったことが大きい。

「もし以前の自分が甲子園で投げていたら、全然投げられていないと思います」
夏までの課題は変化球の精度を磨くこと。奥田が憧れ、目標にする投手はマックス・シャーザーだ。

「リリース位置が低いシャーザーは参考になっています。やっぱりシャーザーの決め球であるスラッターは投げたい思いは強いです。センバツまでは時間がなかったので、習得する時間はなかったのですが、夏までには投げたいです」

 スラッターは打者の手元で大きく落ちる高速スライダー系の変化球だが、奥田のメカニズムでそれが身に付いたら大きな武器となるだろう。

 直前のベンチ入り変更で、メンバー入りした道崎亮太も楽しみな投手だ。175センチ80キロと恵まれた体格から135キロ前後の速球を投げ込み、広陵戦で無失点の好投を見せた。田原東部中出身で、木下コーチからフォームのイロハを学び、最速139キロまでレベルアップさせた。夏へ向けて「ずっと石川でしたし、申し訳ない思いも強いですし、悔しい思いもあります。フィールディングが課題ですので、夏へ向けて鍛えていきたいですし、やっぱり140キロ超えは果たしたいです」と意気込む。

 ベンチ外となったが、練習補助員として打撃投手を務めた大沼昂暉は最速139キロを誇る速球派右腕。また、2年生の山下玲太も最速138キロを投げ込む右腕。山下は「故障してしまってベンチ入り逃した悔しさが強いので、頑張っていきたい」とリベンジを誓っている。

 山下、大沼のように、ベンチ外にも、130キロ後半~140キロを投げる投手は多く、潜在能力が高い投手は多い。ただ首脳陣が求めている実戦力の高さ。石川のような安定感が求められるだろう。誰もが緊張する公式戦のマウンドで、潜在能力の高さを発揮できるか。

 限られた投手枠をかけた争いはもう始まっている。

取材=河嶋 宗一

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プロフィール

河嶋宗一
編集長 河嶋 宗一
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  • ■ 編集長であり、ドットコムのスカウト部長と呼ばれ、日本全国の隠れた名選手を探索。
  • ■ 幅広いアンテナと鋭い観察力でダイヤの原石を見つけだす。
  • ■ 編集部の理論派として、今日も球場に足を運ぶ。
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