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釧路湖陵(北海道)「文武両道!道立で唯一の全道ベスト4の釧路湖陵!」

2019.01.14

道立で唯一の全道ベスト4の釧路湖陵!強打で勝ち上がった全道大会!

釧路湖陵(北海道)「文武両道!道立で唯一の全道ベスト4の釧路湖陵!」 | 高校野球ドットコム
笑顔がまぶしい釧路湖陵野球部

■釧路市が誇る進学校・釧路湖陵
 釧路市に所在する釧路湖陵は大正8年に北海道庁立釧路中学校として設立を認可され、昭和25年に現在の校名である「釧路湖陵」となった。平成24年(2012年)の4月には、文部科学省のスーパーサイエンスハイスクール指定校に認可。近年の進学実績では現役で東京大、北海道大などの国立大、慶應大、早稲田大など難関私学の合格者を送り出す進学校として注目されている。

 釧路市が誇る進学校が2018年秋、快進撃を起こした。全道大会ではベスト4まで駆け上がり、北海道の21世紀枠推薦校に選ばれた。3分の1の確率で21世紀枠のセンバツ出場を願う釧路湖陵の冬を追った。

■釧路湖陵の環境は?

 釧路湖陵の野球部は1年生10名、2年生14名と計24名で活動しており、現在はグラウンドを使わず、室内練習場となっているビニールハウス、体育館は他の部との兼ね合いで使用できないので、廊下などの校舎の中でトレーニングを行っている。積雪地域の釧路だからこそ名物練習として、齋藤叡佑主将は練習開始時に行う雪上ハンドボールを挙げてくれた。これには2つの目的があり、
・雪上を走り回ることにより下半身を鍛える
・周囲を見て行動する力を身に付ける
これが釧路湖陵ナインの強さを作っている。

■苦しい新チームスタート 全道初戦を制し、勢いに乗りベスト4へ!

 新チームスタート時、釧路湖陵は「攻・走・守」全てにおいて、基礎・基本を見直し、人間として成長することをテーマに掲げスタートしたが、思うようにチームがまとまらず、主将・副主将が替わりそうになった。でもそこから他の部員の協力もあって何とか立て直してきた。試合を重ねるごとに釧路湖陵には3つの武器が出来た。
・長打を打てる打撃
・相手に揺さぶりをかける走塁
・どんな時も元気を絶やさないベンチ

 齋藤主将は印象に残る試合として挙げたのが全道大会の1回戦・札幌英藍戦だ。14対12の打撃戦を主将はこう振り返った。

 「相手が全校応援で、約1,000人の大応援に圧倒され、指示の声も通らずに思うようなプレーが出来なかったです。点の取り合いになり、打撃戦なら負けないと思っていましたが、正直不安もありましたね。一時リードを許しながらも最後は何とか勝利することができたことがチームにとって大きな成長をもたらし、勢いを作ることができたと思います」

 これで勢いに乗った釧路湖陵は残り2試合も自慢の打撃力を発揮し、ベスト4まで勝ち上がった。

[page_break:全道大会の原動力となった選手達にインタビュー!]

全道大会の原動力となった選手達にインタビュー!

釧路湖陵(北海道)「文武両道!道立で唯一の全道ベスト4の釧路湖陵!」 | 高校野球ドットコム
雪一面のグラウンドでハンドボールを使ってアップ中!

■釧路湖陵の注目選手は?
 齋藤主将は支部予選・全道大会を通して好投を見せた森下亮輔投手、全道大会準々決勝で本塁打を放った5番でショートと投手を兼任する更科夕稀選手、全道大会準決勝の札幌第一戦で一矢報いる本塁打を放った4番ライト・古川敢太選手を挙げた。

 春の大会のキーマンとして、全道大会のレギュラーを挙げてくれた齋藤主将。その中でも期待が高いのは3番サード・堀海人選手。堀選手は初戦の札幌英藍戦でも本塁打を放つなど、全道大会では打率.333を記録。齋藤主将は「人並み外れた向上心の持ち主。誰も思いつかないような発想力もあります。普通の選手とは違った考えをチームに共有し、良い影響や刺激を与えてくれます!」とチームに欠かせない選手として挙げてくれた。

■21世紀枠の推薦校に選ばれてもやることは変わらず
 21世紀枠の推薦校に選ばれた釧路湖陵だが、しっかりと足元を見つめてレベルアップを図っている。

 「自分の長所は伸ばし、短所は克服し、私学の強豪校とも互角に戦うことのできる力を身に付けたいと思います。また、夏休みよりも時間があるので、学習時間もしっかり確保して、部活動との両立を図ります」

 学業との両立を図ることも忘れていない。全道大会ベスト4まで勝ち進み大きな経験を得られ、同時に悔しさを味わい、課題を与えられた釧路湖陵は心身ともに大きく成長できる冬とし、春、夏と大暴れを見せる。

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齋藤叡佑選手(左)と堀海人選手(右)

 ここからは、更科夕稀選手と堀海人副主将のお二人にお話を伺いました!

Q.秋季大会などを経て、見つけた課題を教えてください

更科:守備力、投手力、走塁技術、走力です。
堀:試合中の対応力と選手個人の技能不足だと考えています。

Q.このオフシーズンの目標、強化したいことを教えてください

更科:球速アップ、走力アップ、内野の守備の基礎・基本の徹底です。
堀:足を速くすること、柔軟な捕球ができること、打球の飛距離アップを実現させます!

Q. 応援する方々へアピールしたいセールスポイントは?

更科:フルスイングです!
堀:自分の全力疾走を見て欲しいです。

Q.チームの好きなところや、他のチームに負けていないところはどこですか?

更科:試合中の声です!
堀:自分たちがしたいことを自分たちで決めることができる点

Q. このオフシーズン、「自分はここまで成長するぞ!」という熱い意気込みをお願いします!

更科:夏の甲子園に出場できる力を身に付けます!
堀:一塁から二塁まで3.1秒で盗塁できる選手になります!

更科選手、堀選手、ありがとうございました!

[page_break:課題を克服しようとする姿勢と過程が大切!]

課題を克服しようとする姿勢と過程が大切!

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ミーティング中の様子

 奥田康夫部長にお話を伺いました!

Q. 今年のチームは、新チームが始まってから、どんなテーマを持ってチームを作り上げてきましたでしょうか。秋の大会の振り返りならびに、冬でのテーマも教えていただけたら幸いです。

 元々3年生部員が少なく、旧チーム時よりベンチ入りしていた2年生が多かったので、試合慣れはしていました。その分アドバンテージがあると思っていたのですが、いざ3年生がいなくなると、何も指示や指摘ができません。

 ずっと3年生に頼っていて、自分たちで判断して動いていなかったことが分かりました。主将、副主将を中心にミーティングを重ね、日々の練習や学校生活の中で「なぜその行動を選択したのか」を言語化し、「その時その行動が最適だったのか」を問い続けました。

 大会前の練習は決して思い通りではありませんでしたが、秋季大会の支部予選大会で対戦した高校3校は、夏の北北海道大会に出場した3校だったので、試合から学ぶ点も非常に多く、試合をする度に成長させて頂いたような印象です。

 その勢いのままに、北海道大会ではベスト4まで進出しました。最後は大きな悔しさを持って終わりましたので、今はその悔しさを持続しつつ、個々の課題克服に努めています。課題のない選手はいませんので、課題克服が全員のテーマです(もちろん、勉強も含まれます)。

Q. 最後に、これから厳しい冬のトレーニングに挑む選手たちへメッセージをお願いします。

 練習試合もできませんし、グラウンドも夏場のようには使えませんので練習内容にも限りがありますが、だからこそ「どのように取り組むか」が問われるのがこの期間だと思います。

 普段の授業の中に考え方のヒントがあるかも知れません。勉強、部活動と区別せず、学校生活全体を通して、課題を克服しようとする姿勢と過程が大切だと思います。体も大きく、心も大きく成長できる実り多い冬にしてください。

奥田部長、そして釧路湖陵高校野球部の皆様ありがとうございました!

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今年も大好評!
【冬が僕らを強くする 特設ページ】
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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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