府立鳳高等学校(大阪)
タイヤ引きの様子(鳳)
「今年こそはやらなあかん」に込めた想いは
■寸前で叶わなかった打倒私学の夢
大阪府堺市に校舎を構える、府立鳳高校。群雄割拠たる大阪府で、私学に対抗すべく修練を続ける野球部は、現在2年生27名、1年生16名の合計43名で活動中。「打倒私学」をチームの目標に掲げる彼らは、冬をどのように過ごしているのだろうか。
鳳は今夏の大阪大会1回戦で、大阪の名門私立・上宮太子を相手に、勝利目前のところで逆転サヨナラを喫してしまった。序盤に5点を奪い、文字通りあと一歩まで辿り着いていたのだ。「今までは打倒私立を目指していましたが、あと一歩で敗戦してしまうことがよくありました」現チームの副主将を務める金田 大輝はこう語る。
『今年こそはやらなあかん』…。現チームのスローガンは、今度こそ勝ち切る、という思いが込められているのだ。
■再び立ちはだかった「あと一歩」の壁
多くの私立校が集結する大阪は、全国トップの激戦区といって差し支えないだろう。その中で公立校として上に這い上がるため、彼らは「勝ち切る」ことを心に、歩みを進めた。
そのようにスタートしたチームで中心となったのは、主将の杉本 琢朗。3番打者として打線の中心を担う一方、キャプテンとして精神的支柱としても貢献し、チームメイトも信頼を寄せている。投手は村田 開。1年生ながら、力のあるストレートと大きく曲がるスライダーのコンビネーションで、私立にも通用する実力を示した。
また、副主将の金田 大輝は走攻守にハイレベル。同じく副主将の荒木 史也は俊足強肩、そしてスイングスピードと軌道の美しさに定評がある杉山 春太など、個性的な選手が他にも揃っている。
秋季大会では、順調に勝利を収め、迎えた4回戦は、関西創価との一戦。これに勝てば、舞洲([stadium]大阪シティ信用金庫スタジアム[/stadium])での試合に進むことができるため、「舞洲に行くぞ」とナインは団結。直前期の練習、ボルテージは高まっていた。
迎えた試合でも勢いそのままに、2回で4点を先制。私学相手に幸先の良いスタートを切ったように見えたが、徐々に守備のほころびが出るなど、流れを明け渡しついには逆転を喫する。スローガンに込めた「勝ち切る」という思いは届かず、またしてもチームの課題として立ちはだかったのだった。
タイヤ押しの様子(鳳)
■オフシーズンに賭ける想いは
「課題が明白となった秋だった」と金田副主将。今度こそは必ず、最後一つのアウトを掴むため、鳳はオフシーズンに強い気持ちで臨んでいる。チームはまだ始まったばかりだ。「個々が身体能力、技術面、精神面においてレベルアップすることを目標としています」と選手たちは意気込んでいる。
「春に自分がイメージする理想の姿に少しでも近づけるように頑張っていきたい」と語るナイン。「自分の希望する打順・ポジションを勝ち取れるように」と競争を辞さない覚悟を見せる者もいる。春、そして夏には『今年こそはやらなあかん』の通り、強豪私立を押しやる、逞しい姿を披露してほしい。
選手に聞く今後の課題
ロングティーの様子(鳳)
ここからは、2年生のお二人、足立 洸成(あだち・こうせい)遊撃手と、荒木 史也(あらき・ふみや)捕手にお話を伺いました!
Q.秋の大会や練習試合が終わって見つけた課題を教えてください。
足立:相手の連携の確認を怠っていて、状況判断が遅れたことです。
荒木:ミスが続いたときに、切り替えがうまくいかず。連続してミスを繰り返してしまったことです。
Q.このオフシーズンの目標、個人的に強化したいことを教えてください。
足立:遊撃手として守備力を上げていきたいと思います。打撃では、下位打線のチャンスメーカーになるよう努力します。
荒木:課題の精神面の強化と、打撃フォームを改善して固定することです。
Q. 応援する方々へ自分のここを見てほしいというのを教えてください!
足立:守備です。
荒木:声でチームを引っ張って、攻守でチームに貢献する姿を見てほしいです。
Q.このチームの好きなところは、または他のチームに負けていないところはどんなところですか?
足立:チャンスの時の雰囲気の盛り上がり方はチームの良いところです。
荒木:チャンス、得点のときには一気に盛り上がるところは僕もいいと思います。
Q. このオフシーズンで『自分はここまで成長するぞ!』と、いうこの冬の熱い宣言を最後にお願いします!
足立:下位打線でも、相手を助けることのない、厄介な打者になります。
荒木:全ての面で成長したいが、特に打撃面を磨いて、春には自分の思っている打順で打てるようになりたいと思います。
足立選手、荒木選手、ありがとうございました!
[page_break:監督が語るビジョンとメッセージ]監督が語るビジョンとメッセージ
自主練習の様子(鳳)
神宅 浩司監督にお話を伺いました。
Q. 今年のチームは、新チームが始まってからどんなテーマを持ってチームを作り上げてきましたでしょうか。
昨年のチームより長打の打てる打者が減ったので、走塁を重視しようとしています。さらに、走塁を活かすための出塁ということで、打撃の重要性を説明しています。
Q. 最後に、これから厳しい冬のトレーニングに挑む選手たちへメッセージをお願いします。
「何も咲かない寒い日は、下へ下へと根を伸ばせ。やがて大きな花が咲く」
神宅監督、鳳野球部の皆様、ありがとうございました!
今年も大好評!
【冬が僕らを強くする 特設ページ】
各チームのページ下部にあるフォトギャラリーもお見逃しなく!